15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは89ドル安、地政学リスクへの懸念広がる
■NY株式:NYダウは89ドル安、地政学リスクへの懸念広がる
米国株式相場は下落。ダウ平均は89.44ドル安の25250.55、ナスダックは66.15ポイント安の7430.74で取引を終了した。サウジアラビアによって反政府記者が殺害されたとの疑惑が広がるなか、トランプ大統領が同疑惑が事実であれば制裁を科す考えを示唆した。サウジアラビアは同国の関与を否定する一方で、制裁には報復措置を取る構えを示しており、地政学リスクへの警戒感が強まった。一方で、今週から本格化する7-9月期決算を見極めたいとの思惑もあり、もみ合う展開となった。セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や自動車・自動車部品が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器やソフトウェア・サービスが下落した。
小売大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)は破産法11条の適用を申請し、20%超の大幅下落となり事実上破綻した。携帯端末のアップル(AAPL)は、ゴールドマンサックスが中国での需要減速を指摘し軟調推移。大手行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)は、決算で手数料収入減少やトレーディング収入が予想を下振れ売られた。一方で、電気自動車のテスラ(TSLA)は、モルガン・スタンレーのアナリストが電気自動車は予想よりも早く市場に浸透するとの見方を示し買われた。
著名投資家カール・アイカーン氏は、PCメーカーのデルによるソフトウェアのヴイエムウェア(VMW)の業績連動株取得による再上場計画に反対を表明し、阻止に動くとの考えを示した。
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■NY為替:ドル弱含み、9月米小売売上高は予想を下回る
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円93銭から111円66銭まで下落し、111円77銭で引けた。予想を下回った米国9月小売売上高に失望したドル売りが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.1606ドルまで上昇後、1.1574ドルまで反落し、1.1579ドルで引けた。リトアニア中央銀行総裁の利上げに関する発言を受けてユーロ買いが優勢となったが、イタリアの債務懸念を嫌気したユーロ売りも観測されており、ユーロはやや上げ渋った。ユーロ・円は、129円80銭まで上昇後、129円34銭まで反落。ポンド・ドルは、1.3170ドルから1.3128ドルで下落した。離脱条件に関する欧州連合(EU)と英国の協議は進展が見られず、近日中の合意期待は後退した。ドル・スイスは、0.9853フランから0.9884フランまで上昇した。
■NY原油:続伸で71.78ドル、原油需要がただちに減少する可能性は低いとの見方も
NY原油先物11月限は続伸(NYMEX原油11月限終値:71.78 ↑0.44)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比+0.44ドルの71.78ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時72.70ドルまで買われた。ユーロ高・米ドル安の相場展開となったことや、原油需要のすみやかな減少につながる材料は多くないとの見方で短期筋などの買いが入ったことが原油先物相場を下支えした。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 27.92ドル -0.54ドル(-1.90%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.47ドル +0.04ドル(+0.09%)
ゴールドマン・サックス(GS)215.22ドル +1.35ドル(+0.63%)
インテル(INTC) 44.53ドル -0.35ドル(-0.78%)
アップル(AAPL) 217.36ドル -4.75ドル(-2.14%)
アルファベット(GOOG) 1092.25ドル -17.83ドル(-1.61%)
フェイスブック(FB) 153.52ドル -0.22ドル(-0.14%)
キャタピラー(CAT) 141.80ドル -0.27ドル(-0.19%)
アルコア(AA) 35.34ドル -0.33ドル(-0.93%)
ウォルマート(WMT) 93.82ドル -0.99ドル(-1.04%)
スプリント(S) 6.28ドル -0.13ドル(-2.03%)
《FA》
提供:フィスコ