ドル・円は伸び悩みか、米FOMC議事要旨タカ派見通しもサウジ問題など警戒

市況
2018年10月17日 17時25分

17日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。今晩公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でタカ派姿勢が確認されるとみられ、ドル買いに振れやすい。ただ、サウジアラビアの記者失踪事件で中東情勢に不透明感が広がり、リスク回避的な円買いがドル・円をある程度下押ししそうだ。

本日のアジア市場で日経平均株価が大幅高、上海総合指数など中国株が底堅い地合いとなり、株高を意識した円売りが先行。また、米10年債利回りは緩やかな上昇基調が続く。それを受け、ドル・円は朝方112円半ばを目指す展開となった。ただ、米株式先物指数は軟調気味に推移し、米株反落への警戒が広がった。また、欧州通貨を中心としたクロス円が円買いに振れ、ドル・円を112円付近まで下押しした。

こうしたなか、9月25-26日に開催されたFOMCの議事要旨発表が今晩は注目される。この会合では、予想通り政策金利が引き上げられ、声明で「緩和的」との文言が削除されたことなどからドル買いになった。一方、利上げ打ち止めが近いとの思惑も浮上し、一時ドル売りもみられた。前日発表された米国の8月JOLT(求人労働移動調査)求人件数では過去最高を記録するなど景気拡大基調が続くなか、議事要旨からタカ派寄りのトーンが明らかになればドル買い再開の可能性がある。

ただ、前日のNY市場で米国株が大幅高に振れたわりに、ドルの上昇ペースの緩慢さが目立った。サウジアラビアの政府に批判的な記者が失踪した事件が、同国とトランプ政権の蜜月関係に影響を与えるとの思惑が、警戒の円買いを誘発。また、武器の輸出入も絡み、中東情勢の不透明感を高める材料として引き続き注目されよう。EU首脳会議でのブレグジットに関する協議も、円買い継続の要因となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・9月消費者物価指数(前年比予想:+2.6%、8月:+2.7%)

・17:30 英・9月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.9%、8月:+2.9%)

・18:00 ユーロ圏・9月消費者物価指数改定値(前年比予想:+2.1%、速報値:+2.1%)

・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-1.7%)

・21:30 米・9月住宅着工件数(予想:121.0万戸、8月:128.2万戸)

・21:30 米・9月住宅建設許可件数(予想:127.5万戸、8月:124.9万戸←122.9万戸)

・01:10 ブレイナード米FRB理事講演(フィンテック関連)

・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月25-26日分)

・EU首脳会議(18日まで)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.