【速報】日経平均600円安、想定外の暴落その真相を探る

市況
2018年10月23日 15時24分

23日の東京株式市場はリスクオフの流れが一気に強まり、日経平均株価は600円あまりの大幅下落となり2万2000円大台攻防の様相を呈した。さらに、TOPIXは45ポイントの下げで1650近辺まで急降下、3月23日の年初来安値1664.94(終値ベース)を7カ月ぶりに下回り年初来安値を更新となった。

前日の欧米株が軟調だったことを受け、朝方から東京市場はリスク回避ムードが強かった。米中貿易摩擦の余波による中国景気減速への懸念がくすぶり、イタリアでは財政不安の問題が再燃している。サウジアラビアを巡る政治的リスクも重荷だ。しかし、それを考慮しても予想外の急落で首を傾げる市場関係者も少なくない。

中国・上海株は前日に4%を超える上昇で底入れ反転の兆しをみせていた。これは中国株の動向に神経を尖らせる東京市場にとっても福音となるはずだった。ところが、欧州時間にドイツ、フランス、イタリアなどの株式市場が取引終盤に軟化し、この流れを引き継ぐことができなかった。米国株市場もナスダックは踏ん張ったもののNYダウはあえなく反落、ここで東京市場の朝方からの売りプログラム作動が決まった感じだ」(国内証券ストラテジスト)という。これは海外ヘッジファンド筋のアルゴリズム売買による一方通行の売りを意味する。

今の東京市場は、海外の長期資金も買いを手控えており、アルゴ売買など先物を絡めた売り崩しに対抗する買い主体がいない。「日銀のETF買いはその購入規模も時間帯も手の内が見えている」(同)ことで、下げ圧力を除去する力はない。さらに、4~9月期決算発表を前に、企業の先行き見通しが市場のコンセンサスに届かないとの見方がにわかに強まっている。これを察知したファンドの解約売りなどの動きが出ている可能性も一部で指摘されている。

世界株式市場の中心軸にある米国株市場は10月上旬の急落もいったん下げ止まりリバウンド局面にある。しかし18日に300ドル超の下げをみせるなど依然として足もとはおぼつかない。マーケットが懸念するのは米中貿易摩擦の余波で両国の経済にダメージが生じることだ。特に中国経済への警戒感は根強い。きょう23日に米キャタピラーの決算が発表されるが、この結果にマーケットは固唾を呑むことになる。

きょうの東京市場では東証1部全体の95%の銘柄が下落するという売り一色となり、業種別にも33業種全面安となったが、特に機械化学海運株などの下げが目立っている。

企業業績についても「好業績銘柄の代表格で19年3月期大幅営業増益を予想しているハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が発表した7~9月期受注高が、前年同期比6割の減少だったことが、ネガティブサプライズだった。同社を氷山の一角に中国向け受注の急減に身構えるムードが市場関係者の間に漂っている」(国内ネット証券アナリスト)という。好調なはずの4~9月期決算発表が実は思いのほかガイダンスリスクに満ちていることに、マーケットは気づき始めた。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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