コラム【アナリスト夜話】肌感覚の米経済:予想を遥かに上回る力強さ(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)

経済
2018年10月24日 10時44分

先週末は、米国で日米の金融シンポジウムに参加しました。両国の当局関係者やシンクタンク、金融機関の役員の方々などで、次世代の金融問題を討議する会です。

まず、半年ぶりに降り立ったアメリカは、随分とキナ臭くなっている印象でした。何しろ米国内の空港のセキュリティが厳しくなっており、これまで一度も連れていかれたことのない別室に、2度も連れて行かれました。

とはいえ、それほど怪しいことをしたわけではなく、一度は、機内でもらったりんごが原因でした。空港内の麻薬犬に嗅ぎつけられ、荷物を犬に引きずられるようして、いかにも怪しい感じの異国男性が居並ぶ別室に連れていかれました。もう一回は、検閲のスキャン。何か足の付け根に異物が見えると言われ、別室で身体検査をされました。… 「犯人」は、なんのことはない、バンテリンでした。

しかし、そんなキナ臭さとは別に、米国内は予想よりはるかに景気が良い印象でした。今回カンファレンスで話した投資家や、金融、行政関係者は、皆米国経済の行方にとにかく強気で、先週の株価の下落も、殆ど忘れかけている様子でした。意見を聞いたほぼ全員が「米国のリセッションは、2020年以降」で、2019年の利上げ回数をFRBメンバーの平均予想を上回る「4回」と予想していました。

アメリカの債務の積み上がりも、不動産価格の高さもあまり気になっていないようです。私が、「NYでは1戸100億円近いマンションが販売されているらしいがモノを見たか?」と聞くと、「それは、どのマンションのことだ?」との答え。50億円超えのマンションは珍しくないようです。

やはり、ちょっと危なっかしい気もしますが、しばらくはアメリカの好景気は続きそうです。私もなんとなく感化されて帰途に着きました。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那

(出所:10/22配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)

《HH》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.