話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンバイオ、ゴルドウイン、ワコム

注目
2018年11月6日 15時13分

■サンバイオ <4592>  6,090円  +1,000 円 (+19.7%) ストップ高   本日終値

サンバイオ<4592>が3日連続ストップ高で上場来高値を連日更新。時価総額も急拡大中、きょうは一気に3000億円台に乗せマザーズ市場ではメルカリ<4385>に次ぐ第2位にランキングされている。同社は脳神経系疾患領域に特化して再生細胞医薬品の開発を手掛けるバイオベンチャーで、大株主の大日本住友製薬<4506>などと共同で研究開発を進捗させており、脳梗塞による身体麻痺を治療する他家由来の再生細胞薬「SB623」に対する期待が大きい。これは脳内の神経組織に投与して自然な再生機能を誘発し、運動機能を回復させる効用が期待され、免疫抑制剤も必要としない。今月1日に、外傷性脳損傷を対象としたSB623の日米フェーズ2試験で、主要評価項目達成の解析結果を得たと発表、同時に来20年1月期中の国内での承認申請を目指す計画を開示しており、これが今回の急騰劇の発端となった。また、慢性期脳梗塞の米国フェーズ2b試験の結果は来期前半に開示される見通しで、これについても注目が必至だ。同分野では競合する治療薬がなく米国を含めた市場規模も巨大で、マーケットの関心は極めて高いようだ。

■ゴールドウイン <8111>  10,060円  +1,500 円 (+17.5%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率4位

ゴールドウイン <8111> が急反騰。6日午前に発表した19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比76.8%増の27.1億円に拡大し、従来予想の19億円を上回って着地したことが買い材料視された。「ザ・ノース・フェイス」「へリー・ハンセン」などアウトドア関連ブランドの春夏商品の消化が順調に進んだうえ、秋冬商品の立ち上がりも好調だったことが寄与。利益率の高い直営店やネット通販の拡大に加え、原価低減やアスレチックブランドの販売ロス削減も上振れに貢献した。併せて、通期の同利益を従来予想の80億円→95億円に18.8%上方修正。増益率が2.1%増→21.3%増に拡大し、従来の6期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。同時に、足もとの好調な業績を踏まえ、中期経営計画の数値目標を上方修正すると発表。21年3月期の売上高目標を従来の800億円→900億円、経常利益目標を73億円→115億円にそれぞれ引き上げた。

■ワコム <6727>  607円  +80 円 (+15.2%)  本日終値  東証1部 上昇率5位

ワコム <6727> が急反騰。5日大引け後に発表した19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益は前年同期比77.3%増の29.1億円と、10月12日に上方修正した数値とほぼ同値で着地。これを受け、足もとの好調な業績を評価する買いが改めて向かったようだ。スマートフォン、タブレット、ノートPC向けペン・センサーシステムに対するメーカー各社からの需要が早期化したことなどで、2ケタ増収を達成した。販管費が大きく減少したことも大幅増益の要因となった。一方、競争環境の変化でペンタブレット製品の中低価格帯モデルの市場浸透が進まず、ブランド製品事業は減収減益だった。

■JUKI <6440>  1,523円  +189 円 (+14.2%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

JUKI <6440> が急伸。5日大引け後、18年12月期の連結経常利益を従来予想の50億円→71億円に42.0%上方修正。減益率が36.2%減→9.4%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。アジア向けに工業用ミシンが好調なうえ、中国の旺盛な設備投資需要を背景に産業機器の販売も伸びる。また、円安効果もプラスに働く。なお、第4四半期の想定為替レートは1ドル=105円を据え置いた。前日終値ベースの予想PERが11.2倍→8.3倍に低下し、割安感が強まったことも支援材料となった。

■シンフォニア <6507>  1,756円  +199 円 (+12.8%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

シンフォニアテクノロジー<6507>が後場急伸。午後1時40分ごろに発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高416億5600万円(前年同期比7.2%増)、営業利益18億2300万円(同39.5%増)、純利益13億600万円(同29.4%増)と大幅営業増益となったことが好感された。モーション機器事業で、モーションシステム機器、プリンタシステムなどの売り上げが増加したことに加えて、機種構成の変化が利益向上に貢献した。また、サポート&エンジニアリング事業で設備工事が増加し採算が改善したことも寄与した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高950億円(前期比5.2%増)、営業利益78億円(同9.7%増)、純利益54億円(同2.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■図研 <6947>  1,850円  +181 円 (+10.8%)  本日終値  東証1部 上昇率8位

図研 <6947> が続急騰。5日大引け後に発表した19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比2.5倍の13.9億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。エレクトロニクスや自動車関連、産業機器メーカーの設備投資需要が拡大するなか、設計データ管理システムやネットワーク関連製品の販売が好調だったうえ、ワイヤハーネス向けを中心に回路設計ソリューションの売り上げも大きく伸び、19.3%の大幅増収を達成したことが寄与。

■IIJ <3774>  2,377円  +229 円 (+10.7%)  本日終値  東証1部 上昇率10位

インターネットイニシアティブ<3774>は後場急騰。この日正午ごろに発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高909億6300万円(前年同期比9.6%増)、営業利益29億1200万円(同25.8%増)、純利益19億8200万円(同33.2%増)と大幅増益となったことが好感された。インターネット接続サービス、セキュリティーなどのアウトソーシングサービスおよびWANサービスなどのストック売り上げが増収を牽引。これに加えて、ネットワークサービスにおける継続増加やシステムインテグレーションの粗利率向上による売上総利益の増加が利益を押し上げた。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高1900億円(前期比7.9%増)、営業利益70億円(同3.5%増)の従来見通しを据え置いている。

■カカクコム <2371>  2,221円  +202 円 (+10.0%)  本日終値

カカクコム<2371>が後場一段高。前引け後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高256億4500万円(前年同期比18.4%増)、営業利益116億8300万円(同11.3%増)、純利益76億5700万円(同7.3%増)と2ケタ営業増益だったことが好感された。「食べログ」の飲食店販促事業が好調だったほか、「食べログ」「価格.com」の広告事業が伸長したことが業績を牽引した。また、新興メディア・ソリューションでLCL、ガイエを連結化したことも寄与した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高520億円(前期比11.2%増)、営業利益252億円(同10.2%増)、純利益170億9000万円(同8.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■三井倉HD <9302>  1,905円  +138 円 (+7.8%)  本日終値

三井倉庫ホールディングス<9302>は急伸。午後1時30分ごろ、19年3月期の連結業績予想について、売上高を2300億円から2350億円(前期比0.8%増)へ、営業利益を75億円から100億円(同42.9%増)へ、純利益を38億円から49億円(同11.2%増)へ上方修正し、未定としていた期末配当を12円50銭にするとあわせて発表したことが好感された。国内外フォワーディング業務の好調な推移や自動車関連部品にかかる航空貨物のプロジェクト輸送の発生、猛暑の影響による家電量販店向け輸配送業務におけるエアコンなどの取り扱い増加などで上期業績が計画を上振れたことなどが要因としている。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1206億5900万円(前年同期比5.1%増)、営業利益61億8300万円(同77.0%増)、純利益31億1100万円(同72.9%増)だった。

■大日本住友製薬 <4506>  2,773円  +182 円 (+7.0%)  本日終値

大日本住友製薬<4506>が大幅に3日続伸。大和証券は5日、同社株のレーティングを「4(アンダーパフォーム)」から「3(中立)」へ引き上げた。目標株価は1000円から2600円に見直した。他家再生細胞薬「SB623」についてサンバイオ<4592>が外傷性脳損傷の臨床フェーズ2試験の主要評価項目達成を1日に発表した。これを受け、同証券では「大日本住友製薬が北米での開発・事業化権を持つ脳梗塞での開発成功確率も上昇した」と判断。SB623の業績貢献が拡大していく可能性などを考慮し、投資判断を引き上げた。同社は、サンバイオと米国・カナダでSB623の共同開発を行っており、同地域での独占的販売権を保有している。

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