後場に注目すべき3つのポイント~方向感定まらず、中国株動向を注視
15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、方向感定まらず、中国株動向を注視
・ドル・円はもみ合い、押し目買いで下値は堅い
・値下がり寄与トップは、ソフトバンクG<9984>、同2位はファナック<6954>
■日経平均は反落、方向感定まらず、中国株動向を注視
日経平均は反落。54.61円安の21791.87円(出来高概算7億2408万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式相場では、携帯端末の需要後退が懸念されているアップル株の下落が目立ったほか、長期金利下落により金融株中心に売りが広がった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円安の21665円、円相場は1ドル113円50銭台と前日の日中比円高方向で推移するなか、朝方の日経平均は3ケタ下落でのスタートとなった。その後は、一時下げ幅が200円を超える場面もあったが、前場中ごろより中国株が底堅い推移をみせると、日経平均も前引けにかけて下げ幅をやや縮小する展開となった。
東証1部の値下がり銘柄数は884銘柄と、全体の過半数に満たなかったものの、指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>やファナック<6954>、TDK<6762>などのハイテク株が中心となって指数を押し下げた。セクターでは、銀行業や保険業、証券・商品先物取引業が軟調な一方で、サービス業、ゴム製品、水産農林業は堅調。
前週末にかけて低下傾向にあった米VIX指数は週明けから警戒領域とされる節目の20を再び超えてきているほか、日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)も、節目の20を週明けに割り込んだものの、再び水準を切り上げている。今月末に開催予定となっているG20首脳会議での米中首脳会談への期待が根強いなか、一部メディアによって中国が米国側からの通商改革要請に書面で回答したとの報道が伝わったものの、東京市場の反応は限定的となっている。東証1部において、外部環境が不透明ななかで関心が向かいやすい内需・ディフェンシブ銘柄の株価動向もまちまちであり、物色対象としても、方向感が定まらない格好となっている。後場は、戻り基調の中国株の動向を受け、海外勢のフローに一段と振らされやすくなろう。
他方、信用評価損益率が追証の発生し始める水準とされる-10%から改善基調にあるなか、個人投資家中心に東証1部の小型株や、JASDAQ市場やマザーズ市場の銘柄などに対しての物色は盛んになっている。決算後にいったん買われたメルカリ<4385>やMTG<7806>といったマザーズ主力級の銘柄の戻りの鈍さから、本格的なセンチメント好転とは言いにくいものの、東証1部の銘柄に対する物色が定まらないなかでは、短期資金は値動きの軽い銘柄へと向かいやすくなろう。
■ドル・円はもみ合い、押し目買いで下値は堅い
15日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。日本株安を受けた円買いで113円半ばに下げたが、国内勢の押し目買いが観測され、下値の堅い値動きとなった。
ドル・円は、日経平均株価の軟調地合いで円買いが先行し、前日NY終値を下回る113円49銭まで弱含んだ。その後は上海総合指数がプラス圏で推移するものの、欧米株安観測もあり、ドルは113円50銭付近で一進一退。
ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏で推移し、目先の日本株安継続を警戒した円買いに振れやすい。また、ユーロ・ドルの持ち直しもドルの押し下げ要因。ただ、国内勢を中心に押し目買いが続き、ドルは下げづらい見通し。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は113円46銭から113円68銭、ユーロ・円は128円44銭から128円67銭、ユーロ・ドルは1.1308ドルから1.1331ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・アイビーシー<3920>や、ライドオンエクスプレスホールディングス<6082>など、14銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値下がり寄与トップは、ソフトバンクG<9984>、同2位はファナック<6954>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長
「米国経済は非常に強い。成長が続く可能性は高い」
「減税や歳出拡大はある程度押し上げているものの、刺激効果は時間とともに薄れる」
【経済指標】
・豪・9月失業率:5.0%(予想:5.1%、8月:5.0%)
・豪・9月雇用者数増減:+3.28万人(予想:+2.0万人、8月:+0.78万人←+0.56万人)
<国内>
・特になし
<海外>
・ブラジル休場(共和制宣言記念日)
《HH》
提供:フィスコ