話題株ピックアップ【夕刊】(1):トリケミカル、サンバイオ、郵船

注目
2018年12月3日 15時18分

■トリケミカル研究所 <4369>  5,190円  +700 円 (+15.6%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

トリケミカル研究所<4369> がストップ高。11月30日大引け後、19年1月期の連結経常利益を従来予想の19.4億円→29.9億円に54.1%上方修正。増益率が19.6%増→84.3%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。国内と台湾を中心に半導体や光ファーバー向け化学材料の販売が伸びることが寄与。韓国関連会社の業績が想定以上に好調で、持分法投資利益が発生することも利益を大きく押し上げる。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の26円→45円(前期は21円)に大幅増額修正したことも買いに拍車を掛けた。

■サンバイオ <4592>  9,480円  +810 円 (+9.3%)  本日終値

サンバイオ<4592>は急伸。上値追いトレンドが一段と加速している。脳梗塞など脳神経系疾患による身体麻痺を治療する他家由来の再生細胞薬「SB623」への期待が大きいが、30日に三菱UFJ銀行と借入限度額20億円とするコミットメントライン契約を締結したことを発表。調達資金は再生細胞薬SB623市販後の製造・物流・販売体制構築に充てる計画で、これを評価する買いが流入している。

■山陽特殊製鋼 <5481>  2,734円  +154 円 (+6.0%)  本日終値

山陽特殊製鋼<5481>が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が11月30日付で投資判断を新規「オーバーウエート」とし、目標株価を3530円に設定したことが好材料視されたようだ。同証券によると、スウェーデンの特殊鋼メーカー、オバコの買収や、新日鉄住金<5401>グループ入りにより、「姫路の『山特』から世界の『Sanyo』へ華麗なる変身」の局面を迎えており、「グロースが期待できる銘柄」と判断。また、軸受鋼におけるグローバルでのプレゼンス向上や、第三者割当による利益の希薄化は起こらないとみていることも評価している。

■酉島製作所 <6363>  1,098円  +56 円 (+5.4%)  本日終値

酉島製作所<6363>が4日続伸。東海東京調査センターが11月30日付で、投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」とし、目標株価を1240円としたことが好材料視されたようだ。19年3期月期上期受注高が321億円(前年比34.7%増)と大きく増加しており、同センターでは、17年3月期(受注高435億円)と18年3月期(同422億円)のような受注低迷期は終わったものと判断し、19年3月期受注高を520億円(会社計画450億円)と予想。また、20年3月期以降の受注高も500億円超を予想しており、これを背景に19年3月期営業利益を前年比59.1%増、20年3月期は同40.0%増と予想している。

■日本郵船 <9101>  2,011円  +84 円 (+4.4%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手をはじめ海運株が軒並み高。米中首脳会談は米国が中国に対し追加関税の発動を90日間猶予し、貿易摩擦の解消に向けて取り組む方向でまとまり、これが米中貿易摩擦問題に対する行き過ぎた不安心理を後退させた。中国景気の動向と業績が連動しやすい海運セクターにとっては追い風となった。また、ばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は足もと下落基調にあるものの、ここ最近の急騰の反動で影響は限定的。一方、為替市場で円安傾向にあることはドル建て決済の海運各社にとって支援材料だ。

■アイホン <6718>  1,782円  +65 円 (+3.8%)  本日終値

アイホン<6718>が大幅続伸。東海東京調査センターが11月30日付で、投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」とし、目標株価を1830円から2000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。足もとの状況などから、同センターでは19年3月期業績は会社計画の営業利益30億円(前期比6.9%増)を達成し、30億2000万円になると予想。20年3月期以降は、新製品効果による売り上げの増加を見込み、20年3月期は前期比6.3%営業増益、21年3月期は同5.6%増と予想している。

■トヨタ自動車 <7203>  7,032円  +229 円 (+3.4%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が反発、前週末取引時間中に10月5日以来となる7000円大台回復を果たしたが、その後はG20を前に手仕舞い売りが出て伸び悩み6800円台で引けていた。G20や米中首脳会談の結果はマーケットにポジティブな思惑を与え、きょうは改めて買いが優勢となり、7000円大台固めの動きとなっている。外国為替市場では1ドル=113円台後半の円安傾向に振れていることも買い安心感を与えた。

■石油資源開発 <1662>  2,420円  +66 円 (+2.8%)  本日終値

石油資源開発<1662>や国際石油開発帝石<1605>、JXTGホールディングス<5020>といった石油関連株が高い。11月30日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近1月物が前日比0.52ドル安の1バレル50.93ドルと反落した。ただ、週明け3日の時間外取引でのWTI価格は午後1時00分時点で53.60ドル近辺へ急伸している。米中首脳会談で、米国が来年1月に予定していた中国への追加関税を見送る「一時休戦」が決まったことが好感されているほか、今月6日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)総会での減産期待も強まっている。

■トランス・コスモス <9715>  2,696円  +72 円 (+2.7%)  本日終値

トランスコスモス<9715>は反発。この日、インドネシアにEC子会社を設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。新会社PT.Transcosmos Commerce(トランスコスモスコマース、本社ジャカルタ)は、今後も成長が見込まれるインドネシアEC市場において、日本をはじめとする世界各国の顧客企業が持つ優良な商品をインドネシアの消費者に届けるのが目的。コンサルティング・販売戦略立案・プロモーション企画・ECサイト構築・カスタマーサポート・在庫・配送マネジメントなどの出店支援・EC運営代行を提供するほか、現地4大マーケットプレイスにトランスコスモスのEC店舗を開設。まずはビューティー&ヘルス分野やホーム&ライフスタイル分野の商品を皮切りに顧客企業の商品を販売するとしている。

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