来週の株式相場見通し=買い手控えで上値重い推移、ソフトバンクのIPOに関心
来週(17~21日)の東京株式市場は、米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感のなか、引き続き積極的な買いが手控えられ上値の重い推移が予想される。更に、19日には新規上場による資金調達額としては過去最大規模となるソフトバンク<9434>の動向も、市場に影響を与えるものとして関心を集めそうだ。来週の日経平均株価の想定レンジは2万1000~2万1700円とする。
海外イベントでは、18~19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)が焦点となるが、追加利上げが確実視されている一方で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が11月28日に行った講演内容がハト派的だったことから、市場で来年の利上げが1~2回で打ち止めになるとの受け止めが広がっている。今回そのシナリオに変化が起きるかに注目が集まる。
市場関係者からは「全体相場での買い手控え姿勢が続くなか、市場参加者はソフトバンクの初値とその後の株価推移に関心を強めている。初値後に株価が上昇すれば、全体相場にプラス影響を与えることも想定される。ソフトバンクは配当性向の高さに魅力はあるものの、他の携帯電話各社と同様に、今後は料金値下げ競争にさらされる可能性もあるため、市場の評価は多様となっている」との見方が出ていた。
日程面では、11月の首都圏新規マンション発売(17日)、11月の貿易収支、11月の訪日外国人客数(19日)、日銀金融政策決定会合(19~20日)、黒田日銀総裁会見、10月の全産業活動指数(20日)、11月の消費者物価指数(21日)に注目。
海外では、米12月のNY連銀製造業景況指数(17日)、米11月の住宅着工指数、独12月のIfo景況感指数(18日)、FOMC(18~19日)、パウエルFRB議長会見、米7~9月期の経常収支、米11月の中古住宅販売件数(19日)、米11月のCB景気先行総合指数、英金融政策発表(20日)、米7~9月期のGDP確定値、米11月の耐久財受注、米11月の個人所得・個人支出(21日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)