米国株式市場見通し:FOMCが開催予定
今週は18-19日に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。現時点で利上げの可能性が高いものの、足元の商品相場の下落や長期金利の低下などを受けて一部に見送るとの見方もある。声明文やパウエルFRB議長の会見で、今後の利上げやそのペースと方針、19年度の景気動向などに具体的な示唆が得られるかどうかが注目点となるだろう。
年末の為、節税目的での含み損の確定が増える時期となることに注意が必要だ。米国では株式売買による損益通算が認められており、損失が大きい場合にも、控除が認められる一定額以上を無制限に翌年以降に繰り越すことが可能だ。特に年初来で下落率の大きい銘柄で、流動性の低い銘柄(小型株)ほど売られる傾向がある。またウォッシュ・セール・ルールと呼ばれる規定があり、一旦売却した同一銘柄を30日以内に買い戻すと、損失が認められないという制限がある。従って、将来的に買い戻す意図で一旦売却した場合でも、暫くの間は買い戻しを躊躇する要因となる。
一方で、1月効果と呼ばれるアノマリーがあり、特に12月中旬頃から1月にかけての株価上昇率が統計的に高いことが知られている。年末の損失確定の反動で、大型株よりも小型株ほどその効果が顕著に現れることも指摘されており、中小型株への投資を検討する良い機会となるだろう。
個別企業では、ソフトウェア大手のオラクル(17日)、レストランチェーンのダーデン・レストランツ(18日)、半導体のマイクロン・テクノロジー(18日)、運送会社のフェデックス(18日)、ドラッグストアのライト・エイド(19日)やウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(20日)、クルーズ客船運航のカーニバル・コーポレーション(20日)、スポーツ用品のナイキ(20日)などの決算発表が予定されている。ナイキは6-8月期決算で、北米地域での同社ブランドの人気復活の兆しが示された。一方で、米中貿易摩擦の長期化で売上低下も予想されるため、中国を含む「大中華圏」の成長性に注目が集まるだろう。
経済指標では、12月NY連銀製造業景況指数(17日)、12月NAHB住宅市場指数(17日)、11月住宅着工・建設許可(18日)、11月中古住宅販売件数(19日)、11月景気先行指数(20日)、7-9月期GDP確報値(21日)、11月個人所得・支出(21日)、11月耐久財・製造業受注(21日)などの発表が予定されている。耐久財受注では、設備投資の先行指標となる非国防資本財受注から製造業の景気動向を確認したい。また、7-9月GDP確報値では個人消費の拡大を確認できるかが焦点となるだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ