欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、2019年の米利上げペース鈍化でドル売りも

通貨
2018年12月19日 17時25分

19日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)は市場の予想通り利上げに踏み切る公算だが、来年の引き締めシナリオの不透明感からドル買いは限定的となる見通し。また、政策決定後に株安に振れれば、ドル売り、円買いが強まりそうだ。

本日のアジア市場で、ドル・円は引き続きドル売り圧力が強く、日経平均株価の弱含みを手がかりに112円19銭まで売られる場面があった。トランプ政権によるFRB批判が背景。今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)では今年4回目の利上げが見込まれるが、トランプ大統領は前日、「“過ち”を犯すな」と自身のツイッターに投稿するなど、政権側からのけん制が続く。このため、市場の一部には今晩の利上げ見送り予想もみられる。仮に見送りになった場合には政治圧力に屈したことで中銀としての信頼は揺らぎ、大きな混乱を招く可能性もある。そのため、市場の想定に沿って利上げが決定されよう。

FRBは日本時間20日4時に声明を発表した後、パウエル議長が4時半に記者会見する。米国経済の目先の減速懸念やこれまでの当局者からのハト派寄りの発言から、金利見通しなどでは慎重な内容が示されるだろう。2019年の利上げ回数は3回がメーンシナリオだが、2回となっても想定内と言えそうだ。政策決定後のドル・円は買いが限定的となる反面、下げも小幅にとどまると予想する。一方、FRBのハト派姿勢で株価は上昇が見込まれるが、足元は不安定な地合いが続いている。そうしたなか、市場参加者が米国経済のピークアウトなどに反応して株安に振れれば、ドル売り、円買いが強まる可能性もあろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・11月消費者物価指数(前年比予想:+2.3%、10月:+2.4%)

・18:30 英・11月生産者物価指数・産出(前年比予想:+3.0%、10月:+3.3%)

・22:30 カナダ・11月消費者物価指数(前年比予想:+1.8%、10月:+2.4%)

・22:30 米・7-9月期経常収支(予想:-1250億ドル、4-6月期:-1015億ドル)

・24:00 米・11月中古住宅販売件数(予想:520万戸、10月:522万戸)

・04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表(政策金利は0.25ポイント引き上げ予想)

・04:30 パウエル米FRB議長会見

・06:45 NZ・7-9月期GDP(前年比予想:+2.8%、4-6月期:+2.8%)

・06:45 NZ・11月貿易収支(予想:-8.80億NZドル、10月:-12.95億NZドル)

《FA》

提供:フィスコ

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