【杉村富生の短期相場観測】 ─ 2019年4~6月は高い、とのシナリオを想定!
「2019年4~6月は高い、とのシナリオを想定!」
●「カネをマクラに越年」の状況だが…
いや~、厳しい年の瀬である。この季節の、こんな惨状は経験がない。例年、この時期は新年に向けての明るい見通しが語られるものだが、それもない。パニック的な売りが続いている。大手証券N社は「2019年末の日経平均株価の水準を2万3000円」と。う~ん、志(目標値)が低すぎないか。
確かに、世界景気はピークアウト、2019年度の企業業績は8~10%の減益になりそうである。米中貿易戦争の行方は知れない。さらに、リスク回避の円高圧力が強まっている。そう、これでは…。昔は「株をマクラに越年を」と言ったものだが、今年は「カネをマクラ」である。
ただ、株価は6カ月先行する、と言われている。現在、語られている悪材料の多くを株価はすでに織り込んだのではないか、と思う。
それに、筆者は「1~6月は高い」と考えている。専門家と称する人たちの“逆目”が出るだろう。日経平均は4~6月に、2018年10月2日のザラバ高値2万4448円に挑戦する、とのシナリオ(相場デッサン)を描いている。
したがって、この局面での投資戦術はズバリ、突っ込み買い方針である。この世界では安いとき、安いところを買えない人に明日はない。需給悪は株価下落によって是正される、という。日経平均の2万0347円(3月26日の安値)以下は押し目限界だろう。
●71.8%下げたOakを拾う!
実際、投げ売り商状は峠を越えつつある。12月はロス・カット、納付した税金の還付を狙った損切り、追い証発生に伴う投げ、IPO払い込み資金捻出、とりあえず現金に、などと売りのテンコ盛りだったが、もう十分だろう。相場巧者はいち早く買い出動している。買い下がり作戦である。
Oak キャピタル <3113> [東証2]は12月21日に120円の安値まで売り込まれた。2月2日には429円の高値がある。下落率は何と、71.8%だ。黄金分割を大幅に上回る。4-9月期(上期)の赤字(3億6200万円)をイヤ気したのだが、売られすぎではないか。有利子負債はゼロ、無借金経営を貫いている。
主力は投資銀行業務だ。上場企業投資における過去5年間の平均運用利回りは60%に達する。2019年3月期は最終的に黒字を確保(帳じり合わせは得意)、7円配当が実施される見込み。ハワイのMakami(リゾートゴルフ場)は「ぜひ買いたい」と希望を述べる外国人がいる、という。
ともあれ、7円配当を実施するのであれば時価の配当利回りは5.8%になる。いや、株価水準的に、ここは買える。会長兼CEOの竹井博康氏は転んでもただでは起きないしっかり者である。
元気な銘柄では独自の基礎工事技術を持つテノックス <1905> [JQ]、全個体電池のサンプル出荷を始めたFDK <6955> [東証2]などに注目できる。
2018年12月19日 記
株探ニュース