【杉村富生の短期相場観測】 ─ とりあえず、逆行高の強い銘柄を攻めようじゃないか!
「とりあえず、逆行高の強い銘柄を攻めようじゃないか!」
●みんな揃って弱気に傾いているが…?
2019年相場は波乱の幕開けとなっている。 日経平均株価は瞬間、773円安の1万9241円まで売り込まれた。3日のNYダウがアップルの業績下方修正をきっかけに、660ドル安と急落したことに加え、リスク回避の円高が進行(一時、1ドル=104円85銭に)、売り物が殺到する状況となった。しかし、現状はほぼ売られすぎゾーンだと思う。
現在、日経平均株価の1株利益は1784円、1株純資産は1万9245円だ。先の安値水準のPERは10.79倍、PBRは1倍割れとなる。いかに、外部環境が不透明とはいえ、歴史的には異常値に近い。みんなNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 <1357> [東証E]を安心して買っているが、そのこと自体が底値圏のシグナルである。
確かに、マーケットには弱気の声が満ちあふれている。しかし、冷静に考えてほしい。昨年の大発会に、「年末の日経平均株価は?」と問われ、「2万5000円」とか、「3万円」と叫んでいた人が「今年の年末は1万8000円」などと答えている。まあ、米中貿易戦争の収束はみえず、中国景気は急減速を示している。専門家ほど弱気に傾くのは分かる。
しかし、この世界は「3%の勝者に、97%の敗者」と言われるような苛酷なところだ。みんなと同じように行動し、儲かるわけがない。利を得るのは難しい。そもそも、相場は天の邪鬼である。筆者の知る相場巧者は例外なく「変な人」だ。いま何をしているかって? 安いとこを必死に買っている。
●絶望の林を抜け、恐怖の森に踏み込もう!
実際、ピーター・リンチ、ジョセフ・ケネディ、ジョン・テンプルトンなど歴史上の相場師は揃ってバーゲンハンターだ。絶望の林を抜け、恐怖の森に踏み込んだ者だけが巨利を得る。日本では佐藤和三郎(大番の牛ちゃんのモデル)がこのグループに属する。
全般相場の先行きについてはそんなに不安視していない。中国、日本ともに、景気失速を防止するために政策総動員となろう。まさに、パニックは政策の母である。中国は共産党独裁体制が揺らぐ可能性がある。景気の底割れは許されない。これは日本も同様だ。なにしろ、4月には統一地方選挙、7月には参院選挙、10月には消費税率の引き上げ(8%→10%)を控えている。
さらに、5月は新天皇の即位だ。安倍政権としては慶賀ムードに水を差すわけにはいかない。これが日本人のメンタリティである。国内勢は日銀ETF、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、自社株買い、個人投資家が揃って参戦するはずだ。外国人だって、このチャンスをみすみす逃すことはないだろう。
足元ではやはり、テーマ性を有する元気な小物を攻めたい。具体的には逆行高を演じている5G関連のアイレックス <6944> [JQ]、ピンタレスト関連の旅工房 <6548> [東証M]、RPA関連のアイ・ピー・エス <4335> [JQ]、M&Aを駆使、急成長が期待できるギフト <9279> [東証M] などはどうか。
2019年1月4日 記
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株探ニュース