話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファナック、神戸物産、Uアローズ
■ファナック <6954> 17,190円 +560 円 (+3.4%) 本日終値
ファナック<6954>が続伸。きょうまでの日程で米中の次官級貿易協議が行われているが、中国側からは習近平国家主席の側近である劉鶴副首相が出席したことで、両国間の貿易摩擦緩和に向けた期待感が高まっている。中国向け売上比率の高い同社株はショートポジションを積んでいた機関投資家筋の買い戻しなどを誘発、株価を押し上げる格好となっている。時価はテクニカル的にも25日移動平均線との下方カイ離を解消する水準まで戻しており、底値離脱の色を強めている。
■神戸物産 <3038> 3,425円 +95 円 (+2.9%) 本日終値
神戸物産<3038>が反発。中国で加工食品を製造し安価で商品を提供する「業務スーパー」が好調で業績拡大基調が続いている。関東エリアを中心に積極的な出店を続け18年10月末時点で店舗数は813店舗に達している。月次売上高も好調を持続しているほか、好採算のPB商品が伸びて利益率も向上、今19年10月期営業利益は前期比5%増の165億円見通しと増益基調が続く。営業利益は今期で6期連続の増益となる。
■ユナイテッドアローズ <7606> 3,610円 +80 円 (+2.3%) 本日終値
ユナイテッドアローズ<7606>は反発。7日の取引終了後に発表した12月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比6.7%増と11カ月連続前年実績を上回ったことが好感された。12月は例年に比べて気温が高かった影響で月初旬の動きは鈍めだったものの、月中旬からの気温低下に伴いニット、アウターなどの冬物衣料が好調に推移した。加えて、メンズのパンツ、シューズ、ウィメンズのジャケット、スカート、ワンピースなどの動きが目立った。なお、全社売上高は同2.6%増と2カ月ぶりにプラスに転じた。
■武田薬品工業 <4502> 4,085円 +90 円 (+2.3%) 本日終値
武田薬品工業<4502>が3日続伸。同社は8日、欧州医薬品大手シャイアーの全株式を取得し買収が完了したと発表した。これに伴い、同社は連結売上高3兆円を超える巨大製薬企業となった。SMBC日興証券は7日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は5700円(従来5800円)とした。同証券では、新生・武田薬の株価は海外メガファーマとの比較において割安感が強いとみている。同社の株価は、4日終値ベースで18年3月期の実績PBRが1.12倍、配当利回りが4.8%。22年3月期予想でPERは8.3倍と海外大手(9~13倍)に比べ割安。従来の武田薬の業績予想は新興国ビジネスや国内事業で大きく下振れており、シャイアー買収は「その軌道修正と持続的な利益成長のため不可欠な戦略」と評価している。
■中部電力 <9502> 1,675.5円 +26.5 円 (+1.6%) 本日終値
中部電力<9502>は3日続伸。昨年秋からの下げ相場のなか、景気動向に左右されにくく、安定した値動きとされる電力・ガス株は足もとでアウトパフォームしている。特に、足もとの原油安や円高メリットの享受が期待されているが、野村証券は7日、「中部電力の燃料安メリットが最も大きい」と指摘した。同証券では、19年3月以降の原油入着価格を1バレル57ドル、1月以降の為替を1ドル=108円を前提とした場合、19年3月期と20年3月期の計上利益はそれぞれ現行の同証券予測に比べ31%、32%増益となると試算している。一方、燃料安メリットが最も小さいのは原子力依存度の高い関西電力<9503>とみている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,626円 +80 円 (+1.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株に買いが先行。昨年12月下旬から外国為替市場では急速に円高基調となっていたが、目先は米国株市場が持ち直したことでリスク選好の流れにあり、外国為替市場でもドル高・円安方向に押し戻されている。足もと1ドル=108円台後半の推移となっており、輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い自動車株への買い戻しが入りやすくなっている。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,008.5円 +9.1 円 (+0.9%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>と石油資源開発<1662>が6日続伸。JXTGホールディングス<5020>も3日続伸するなど石油関連株が高い。7日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近2月物が前週末比0.56ドル高の1バレル48.52ドルと6日続伸した。サウジアラビアが原油輸出を削減する計画を立てている、と一部で報道されたことなどが材料視された。原油価格は中国景気の減速懸念などから昨年末にかけ下落基調を強めていたが、足もとでは反発局面にある。これを受け、日本の石油関連株にも見直し買いが入った。
■田辺三菱製薬 <4508> 1,605円 +13 円 (+0.8%) 本日終値
田辺三菱製薬<4508>は続伸。大和証券は7日、投資判断を「4(アンダーパフォーム)」から「3(中立)」へ一段階引き上げた。目標株価は1600円で据え置いた。同社の主力製品である筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療剤ラジカヴァへの過度な期待が後退し業績見通しの厳しさは浸透するとともに、日本の薬価制度改革による同社への悪影響も株価に織り込み済みとしている。ただ、今後についてジレニア(多発性硬化症治療剤)やラジカヴァに次ぐ収益柱が欠けていることで、中期業績の減益基調が免れないと指摘。2019年3月期連結営業利益は前期比17%減の640億円(会社予想670億円)を見込んでいる。
■すかいらーく <3197> 1,752円 +5 円 (+0.3%) 本日終値
すかいらーくホールディングス<3197>は3日続伸。7日の取引終了後に発表した12月度のIRレポートで、既存店売上高が前年同月比0.7%増となり、5カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて、祝日日数が1日多かったことによるプラスの影響に加えて、18年8月以降、デジタルマーケティングへのシフトを促進し、さまざまな媒体を駆使した販促活動を強化したことで客数が同1.9%増となったことが寄与した。
株探ニュース