仮想通貨イーサリアムクラシックの損失額は1億円超=コインベース発表

通貨
2019年1月9日 14時03分

米国の大手仮想通貨取引所コインベースは8日、51%攻撃を受けたとされるイーサリアムクラシック(ETC)の損失額が110万ドル(約1億2000万円)に上ると発表した。

コインベースは同日、ブログポストで、イーサリアム ・クラシック上でブロックの「Reorganization(再編成)」を確認し、合わせて8万8500ETC(約4800万円)の二重支払いが発生したと公表。その後、さらに12の追加的な再編成を確認し、被害額が21万9500ETC(約1億2000万円)に達したことを明かした。

再編成は、一つのマイナーが他のすべてのネットワークより資源を持つことで、ブロック生成の歴史を塗り替えることを指す。既報の通り、マイニングプールのイーサチェーンは8日、「100以上のブロックの再編成によって」、イーサリアム・クラシック(ETC)に対する51%攻撃が成功したとツイートした。

イーサリアムクラシックへの51%攻撃を受けてコインベースは取引を全て停止すると発表。日本でもコインチェックとビットフライヤーがイーサリアムクラシックの入出金を一時停止している。

FXcoinのシニアストラテジスト松田康生氏は、今後、規模の小さいコインの淘汰がされ、51%攻撃の危険と隣り合わせのPoWからPoSへのシフトが進むだろうと分析。また、PoWを採用していない仮想通貨リップル(XRP)に一時的に買いが入るだろうと予想した。

イーサリアムクラシックとは、仮想通貨の一種。イーサリアムのハードフォークの結果、誕生した仮想通貨。このハードフォークのきっかけとなったのがThe Dao事件。The Daoとはイーサリアムを用いたプロジェクトの一つである。仮想通貨を元手に資金調達を行う(ICO)画期的なプロジェクトであり、多くの注目を集めた。しかし、The Daoを構築するシステムの欠陥を狙ったハッキングが行われ、プロジェクトのために集められた多くのイーサリアムが盗まれた。これは、非中央集権的な組織運営の未熟さや限界を突きつけることになった。

仮想通貨の特性上、一度他人の手に渡った通貨を取り戻すには、お互いの同意が必要である。しかし、ハッカーが苦労して盗んだ通貨を簡単に手放すことはなく、イーサリアムは解決案を考えるも、全体の合意を得ることができずハードフォークすることとなった。盗まれたイーサリアムが記録されたブロックチェーンから分岐したのが現在のイーサリアムであり、このブロックチェーン上ではイーサリアムが盗まれていなかったことになっている。一方既存のブロックチェーンを引き継いだのがイーサリアムクラシックである。従ってこの二つの仮想通貨には、ほとんど機能的差異はない。

(記事提供:コインテレグラフ日本版)コインテレグラフ日本版は世界中で読まれている仮想通貨ニュースメディア大手「Cointelegraph」の日本語版です。新聞社やTV局出身者で構成される編集部が海外チームと連携しながら、仮想通貨相場を動かすニュースを発信し続けています。

《FA》

提供:フィスコ

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