前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年1月18日 5時20分

■クボテック <7709>  350円 (+80円、+29.6%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。クボテック <7709> がストップ高。前場段階で出来高は1000万株を超え、物色人気の度合いを物語っている。市場では「仕手材料株的な位置づけで個人投資家を中心とした短期資金の注目度が高い銘柄。貸株制限が入ったことで、空売りによる仕掛けが入りにくくなっており、買いの勢いが増した」(国内ネット証券アナリスト)としている。日証金で株不足状態になっており、2円の逆日歩が付いた状態で需給相場の色を強めている。

■Aiming <3911>  510円 (+80円、+18.6%) ストップ高

Aiming <3911> [東証M]がストップ高。同社は16日取引終了後、スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」の開発・運営を手掛けるディライトワークスと資本・業務提携することを発表。新たなゲームタイトルを共同開発するほか、資本面ではディライトワークスを引受先とする174万100株の第三者割当増資を実施(発行価格431円)する。これが株価を強く刺激する格好となっている。

■テクポイント <6697>  700円 (+100円、+16.7%) ストップ高

テックポイント・インク <6697> [東証M]がストップ高。同社は16日、自社の車載用半導体がJVCケンウッド <6632> のカーナビゲーションシステム新製品に採用されたと発表。今回採用されたのは、ビデオエンコーダー「TP2912」とビデオデコーダー「TP2825」。リアカメラ(バックカメラ)などに組み込んだ「TP2912」で映像信号を符号化処理して伝送し、カーナビに組み込んだ「TP2825」で復号し、ディスプレーでの表示や映像データ記録に活用される。

■大和自 <9082>  1,095円 (+150円、+15.9%) ストップ高

大和自動車交通 <9082> [東証2]がストップ高。同社は都内でハイヤー・タクシーを展開する大手4社の一角。16日取引終了後、子会社の大和物産が保有するLPガススタンドを売却することを発表。これに伴い、20年3月期に売却益11億5500万円を特別利益に計上することになり、収益押し上げに対する期待が投資資金流入を誘う格好となった。

■ホギメデ <3593>  3,600円 (+390円、+12.2%)

東証1部の上昇率5位。ホギメディカル <3593> が急反騰。16日大引け後、19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終利益が前年同期比22.5%増の56.2億円に拡大して着地したことが買い材料視された。朝日インテック <7747> 株式を売却したことに伴い、売却益約40億円が発生したことが最終利益を押し上げた。通期計画の37.1億円をすでに5.2%上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。なお、成長を見込んでいた「オペラマスター」と「プレミアムキット」といった手術キットの販売が伸び悩んだうえ、販売促進に必要な見本費や人件費、試験研究費が増加したことが響き、経常利益は6.4%の減益だった。

■セキュアヴェイル <3042>  1,067円 (+116円、+12.2%)

セキュアヴェイル <3042> [JQG]が大幅に4日続伸。システム構築支援業務を展開し、セキュリティーサービスに強みを持っている。企業のサイバー攻撃に対するニーズが高まりをみせるなか、ハードの一括納入ではなくログ解析サービスや運用監視サービスなど継続的な収益基盤が同社の特長となっている。主力サービスの「NetStare」や「LogStare」などの導入を加速させている。直近では前週10日に「LogStare Collector」バージョンアップと同サービスをクラウド環境で提供する「LSCクラウド」のサービスを開始することを発表している。

■リファインV <6531>  1,547円 (+160円、+11.5%)

リファインバース <6531> [東証M]が4連騰。昨日まで3日連続でストップ高に買われ、値幅制限の上限が600円となった17日は前日比470円高の1857円で寄り付いた。10日大引け後に、従来のナイロン再生事業に加え、自動車用エアバッグの製造工程で発生する基布端材のリサイクル事業を開始すると発表しており、これを好感した買いが続いた。同社はカーペットタイルから生成される再生ナイロン製品の量産化を進めていたが、カーペット以外のナイロン製廃棄物の再生が可能な技術へと適用範囲の拡大を図っていた。今回、自動車エアバッグや漁網など大量に排出されるナイロン製廃棄物リサイクルの量産化技術を開発し、事業化を進めることになった。

■旅工房 <6548>  2,007円 (+192円、+10.6%)

旅工房 <6548> [東証M]が続急騰。同社は17日、初売りセール(1月1~14日)の予約件数が前年の同期間に比べ24%増になったと発表。あわせて当初15日までとしていた初売りセールを今月末まで延長するとしており、業績への寄与などが期待されているようだ。

■チェンジ <3962>  4,330円 (+395円、+10.0%)

東証1部の上昇率8位。チェンジ <3962> が3連騰。16日取引終了後、同社の出資先である識学(東京都品川区)が東証マザーズ市場への新規上場を承認されたことを発表。これがポジティブ材料として株高に寄与している。識学は人の意識構造に着目した独自の理論をベースに、組織マネジメント理論「識学」を使ったコンサルティングを企業経営者などに提供、これによりクライアント企業の組織改革や生産性向上の支援ビジネスを展開する。上場日は2月22日を予定している。

■バルクHD <2467>  564円 (+48円、+9.3%)

バルクホールディングス <2467> [名証C]が急反発。同社は16日、子会社のCELが韓国キーペアと非接触カード型仮想通貨ウォレット及び店舗向け決済ソリューションの日本国内での独占販売契約を締結したと発表。CELはキーペアの日本総代理店として宣伝広告や販売、カスタマーサポートのほか、国内各事業者との連携を主導し、非接触型カードウォレット及びウォレットアプリ、店舗向け決済端末・決済アプリを順次提供するとしている。

■T-BASE <3415>  704円 (+58円、+9.0%)

東証1部の上昇率9位。TOKYO BASE <3415> は前日に商いを大きく膨らませてストップ高に買われたが、17日もその余勢を駆って値を飛ばした。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも果たし、底値圏から一気に上げ足を加速させている。15日に発表した18年3-11月期単独決算は6%増収も営業2ケタ減益と低調だった。しかし、直近四半期である9-11月期でみると収益は改善傾向が鮮明でこれが空売りの買い戻しに火をつけた。ここ2月決算企業の四半期発表で、減益決算でも悪材料出尽くしもしくは「直近の四半期が市場予想より改善している」という切り口で株価を急反発させる銘柄が多くなっている。共通項は株式需給面で売り長の状態にあるもの。同社株は日証金で逆日歩がついているほか、機関投資家の貸株取引を活用したショートポジションが株価の上昇エネルギーに変わっている。

■夢の街創造 <2484>  1,481円 (+111円、+8.1%)

夢の街創造委員会 <2484> [JQ]が急反発。16日大引け後、株主優待制度の拡充と自社株買いの実施を発表しており、株主還元の拡充を好感する買いが向かった。株主優待制度では優待品を現行のVisaギフトカードからTポイントに変更し、実施回数を年1回→年2回に増やす。新制度では継続保有期間に応じて年間6000円分~8000円分のTポイントを贈呈する。現行のVisaギフトカードの金額は3000円~5000円相当。また、発行済み株式数(自社株を除く)の0.5%にあたる20万株(金額で3億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は1月17日から1月31日まで。

■北越コーポ <3865>  582円 (+42円、+7.8%)

北越コーポレーション <3865> が急反発。SMBC日興証券は16日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は670円から710円に見直した。19年3月期の業績は中国の古紙需給の急変に伴う原燃料価格高騰などで低調だが、20年3月期は中国事業の収益改善や洋紙の値上げにより収益のV字回復を予想している。同証券では、19年3月期の連結営業利益は会社計画と同水準の95億円(前期比16.8%減)とみているが、20年3月期は145億円(今期予想比52.6%増)と大幅増益を見込んでいる。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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