トルコリラは地政学リスクと高インフレの継続が重しに サンワード貿易の陳氏(三井智映子)

経済
2019年1月18日 13時44分

皆さん、こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の気になるレポートです。先週はトルコリラが下落しましたね。年末年始もトルコリラ円は軟調な推移となっています。そこで、今回は気になるトルコリラについてのレポートをご紹介します。

陳さんは「テクニカルマイスター」で、先週のトルコリラ円の下落について『米軍のシリア撤退を巡る協議を受け、米国とトルコの関係が悪化する可能性があるとの懸念が広がった』と解説しています。

米軍のシリア撤退がトルコリラの買い材料と言えますが、『トルコのエルドアン大統領は8日、シリアのクルド人勢力をトルコが攻撃しないことを米軍撤退の条件に挙げた6日のボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)の発言を「受け入れは不可能」と批判した』とのことで、『単独の軍事行動も辞さない姿勢で米国を牽制した』と伝えています。

続けて、『ボルトン氏がクルド人民兵組織の人民防衛部隊(YPG)に言及したことが、トルコのエルドアン大統領の強い反発を招いた』と分析しており、『米国が過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を巡り支援してきたシリアのクルド人勢力について、トルコは国内の非合法武装組織と同じ「テロリスト」とみる。同勢力の扱いは米トルコ関係悪化の最大の要因となってきた』と考察しています。

『エルドアン大統領がアメリカの米軍シリア撤退条件に怒りを示し、予定されていたボルトン米大統領補佐官との会談をキャンセルした』とのことで、地政学リスクも意識されているようです。

そして、今週のトルコリラ円の見通しについては、『米国との関係悪化が懸念されて上値の重い展開が続きそうだ』との見解を示しています。

加えて今週は16日にトルコ中銀理事会が開催されますが、年率20%を超えるトルコのインフレ率や中央銀行の動向について、『昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比+20.3%と11月の21.62%より低下した。インフレもピークが見えてきたことで、政策金利は据え置かれるだろう』と示唆する一方で、『市場は利上げを期待している。今後もCPIが低下するかどうかがポイントになるが、経済成長が鈍化する中で、トルコ中銀は難しい運営を迫られている』との見解を述べています。参考にしてみてください。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の1月16日付「トルコリラ円、先週の動き・今週の予想」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子

《HH》

提供:フィスコ

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