話題株ピックアップ【夕刊】(2):パンパシHD、資生堂、カチタス
■パンパシHD <7532> 6,710円 +310 円 (+4.8%) 本日終値
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が急伸。同社は1日付でドンキホーテホールディングスから社名変更している。5日取引終了後、19年6月期の連結業績予想を発表。売上高は1兆3700億円(前期比46%増)、営業利益は630億円(同22%増)、最終利益は480億円(同32%増)とした。昨年8月に発表された業績予想からは、営業利益で100億円、純利益で110億円上振れしている。1月にユニーを完全子会社化した効果などが出ている。ユニーとドン・キホーテの共同運営店「MAGAドン・キホーテ UNY」も好調。市場からは、ユニー効果による業績拡大に期待する声が出ている。
■資生堂 <4911> 7,122円 +311 円 (+4.6%) 本日終値
資生堂<4911>が大幅高で5連騰。1月末を境に一気に株価水準を切り上げ、底値離脱を鮮明としている。国内外で化粧品の高級ブランドを展開するが、中国向け需要が高水準で収益に寄与している。ここ米中貿易摩擦問題を背景とした中国景気の減速懸念が株価に重荷となっていたが、目先的には米中両国の貿易協議の進展に対する期待感が浮上、同社など中国関連株に追い風となっている形だ。きょう予定されるトランプ米大統領の一般教書演説では、中国との貿易協議に触れる可能性があり、それが懸念後退につながるとの思惑から買い戻しが加速している。
■カチタス <8919> 3,360円 +145 円 (+4.5%) 本日終値
カチタス <8919> が5連騰。5日大引け後に発表した19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比37.3%増の70.5億円に拡大して着地したことが買い材料視された。中古再生住宅の販売件数が4025件と前年同期に比べ12.1%増加したことが寄与。前期に引き続き、初回売出価格で販売することで値引きによる利益減少を抑える“リフォーム中契約"に注力したほか、不動産仲介会社との協力体制を強化したことが奏功した。通期計画の82.6億円に対する進捗率は85.4%に達している。
■ケーヒン <7251> 2,045円 +84 円 (+4.3%) 本日終値
ケーヒン<7251>が反発。同社は5日取引終了後、決算を発表した。第3四半期(10~12月)の連結営業利益は71億6600万円(前年同期比10%減)と減益だったが、市場予想(65億円前後)を上回った。19年3月通期予想の同利益は230億円で据え置かれているが、第3四半期累計(4~12月)の同利益(205億3600万円)に対する進捗率は89%に達している。市場には、この決算内容を「ポジティブ」と評価する見方が出ており、今3月期営業利益は250億円前後に増額修正されて着地するとの期待が出ている。
■日本触媒 <4114> 7,530円 +300 円 (+4.2%) 本日終値
高吸水性樹脂大手の日本触媒 <4114> が高い。5日大引け後に発表した19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比5.8%増の266億円に伸びて着地したことが買い材料視された。原料価格や製品海外市況上昇に伴う値上げ効果や販売数量の増加で、2ケタ増収を達成したことが寄与。販売価格よりも原料価格の上がり幅が大きくスプレッドが縮小したものの、持分法投資利益の増加で補い、増益を確保した。通期計画の325億円に対する進捗率は82.0%に達している。
■デジタルアーツ <2326> 7,870円 +280 円 (+3.7%) 本日終値
デジタルアーツ<2326>が反発。岩井コスモ証券は5日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価は7000円から9500円に引き上げた。同社は1月31日に決算発表を行い、第3四半期累計(4~12月)の連結営業利益は前年同期比43.7%増の16億7400万円と好調だった。特定組織から重要な情報を盗むことなどを目的とする標的型攻撃への対策を可能とする同社の新しい情報セキュリティー製品への需要が高まっている。さらに、同社の新しい情報セキュリティーソフトは、従来の情報漏洩を防止することに加えコンピューターウィルス対策もできるようになった。ウィルス対策ソフト市場に進出することで成長余地はさらに広がることが期待されている。同証券では19年3月通期の連結営業利益は会社予想と同水準の前期比37%増の26億円の見込みだが、20年3月期は今期推定比35%増の35億円と連続最高益更新を予想している。
■レンゴー <3941> 965円 +25 円 (+2.7%) 本日終値
レンゴー<3941>が後場一段高。午後1時ごろに発表した第3四半期累計(18年4~12月)の連結決算が、売上高4955億7700万円(前年同期比8.9%増)、営業利益209億7100万円(同51.7%増)、純利益148億6000万円(同59.1%増)と大幅増益となり、通期計画に対する営業利益の進捗率が91%となっていることが好感された。ネット通販市場の拡大などを背景に、主力の板紙・紙加工関連事業が好調に推移。一昨年から取り組んできた製品価格の改定なども奏功した。また、海外関連事業で段ボール事業や重量物包装事業が堅調に推移したことも寄与した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高6620億円(前期比9.3%増)、営業利益230億円(同34.6%増)、純利益150億円(同9.8%減)の従来見通しを据え置いている。
■ゼリア新薬工業 <4559> 1,920円 +47 円 (+2.5%) 本日終値
ゼリア新薬工業<4559>が4日続伸。5日の取引終了後、従来200万株、または46億円を上限としていた自社株の取得枠について、380万株(発行済み株数の7.55%)、または82億円に引き上げ、取得期間も5月10日(従来2月5日)までとしたことが好感された。同時に発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算は、売上高472億1500万円(前年同期比4.9%減)、営業利益30億6100万円(同33.3%減)、純利益29億円(同26.7%減)だった。また、19年3月期通期業績予想は、売上高630億円(前期比2.4%減)、営業利益43億円(同11.0%減)、純利益36億円(同13.4%減)の従来見通しを据え置いている。
■アンリツ <6754> 2,183円 +48 円 (+2.3%) 本日終値
アンリツ<6754>は5連騰で青空圏を駆ける展開。時価2200円台は2001年6月以来の株価水準で約17年7カ月ぶりとなる。当時はITバブルの余韻が残る相場環境にあったことを考慮すると、現在の株価の強さは特筆に値する。高速・大容量で同時多数接続を可能とする次世代通信規格の「5G」では関連銘柄の株価を強く刺激しているが、とりわけ開発や検査において通信計測器が必須商品となることから、同社に対するマーケットの評価が高い。19年3月期の業績予想も期初予想から2度にわたる上方修正を行っており、足もとの収益の伸びが会社側想定を上回っていることも人気化の背景にある。
■日本郵船 <9101> 1,824円 +38 円 (+2.1%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株への買い戻しが加速。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が2月4日時点で11日続落と下値模索の動きを続けており、これをうけて海運セクターは買いが入りづらい状況が続いていた。背景にあるのは米中貿易摩擦で中国の景気減速により荷動きが鈍化するとの思惑も運賃市況軟化の背景にあった。ところが、ここにきて米中貿易協議は3月1日の交渉期限を前に中国側が譲歩する形で大きく進展するとの思惑が強まっている。ショートポジションを積んでいたヘッジファンドなどの買い戻しや、それに乗じた押し目買いの動きなどが足もと海運セクターの株価押し上げにつながっている。
株探ニュース