米国株式市場見通し:米中協議の動向を注視

市況
2019年2月9日 14時40分

今週は、ムニューシン財務長官やライトハイザー通商代表部(USTR)代表らが再び米中通商協議に出席する予定で、交渉の動向が焦点となる。合意に向けた市場の楽観的な見方は後退しており、協議進展の兆しが見られなければ投資家心理の悪化は避けられないだろう。また、英イングランド銀行が国内の経済成長見通しを引き下げたほか、欧州委員会がユーロ圏の成長見通しを引き下げたことで、欧州経済減速への警戒感が強まっており、週を通じて相場の重しとなりそうだ。

トランプ大統領は、先月末に連邦政府機関の一部閉鎖の解除を認めたが、15日までにメキシコ国境の壁建設費用に関して上下院で合意できなければ、再び政府機関の閉鎖に突入することになる。公務員の給与未払いや主要空港の一時閉鎖など混乱が予想され、政権運営の先行き不透明感が強まるだろう。また、トランプ大統領は国家緊急事態宣言の発動で議会承認なしに壁を建設することも検討しており、仮に実行されれば、政治的かつ法的な緊張を生むことは確実だ。

主要企業決算では、スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(12日)、ゲーム企業のアクティビジョン・ブリザード(12日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(12日)、クーポン共同購入サイトのグルーポン(12日)、ホテル運営のヒルトン(13日)、口コミサイトのイェルプ(13日)、ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(13日)、損害保険のAIG(13日)、アクセサリーのフォッシル(13日)、飲料メーカーのコカ・コーラ(14日)やペプシコ(15日)、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(14日)、メディアのCBS(14日)、半導体のエヌビディア(14日)、農業機械のディア(15日)などの決算発表が予定されている。先週にゲーム大手のエレクトロニック・アーツやテイクツー・インタラクティブ・ソフトウェアの決算内容が嫌気され大幅下落となっており、アクティビジョン・ブリザードも軟調決算が予想される。エヌビディアは1月末に売上高見通しを下方修正しており、好決算は期待できないだろう。

経済指標では1月消費者物価指数(13日)、12月小売売上高(14日)、1月生産者物価指数(PPI)(14日)、2月NY連銀製造業景気指数(15日)、1月輸入物価指数(15日)などの発表が予定されている。小売売上高は11月分からほぼ横ばいが予想されているが、全米小売業協会(NRF)は、堅調な消費者信頼感や低水準の失業率、賃金の上昇を理由に19年の小売売上高について前年比3.8-4.4%増と18年度予想よりは減速するものの、概ね堅調な成長を予想している。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.