話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、エンジャパン、大同特鋼
■トヨタ自動車 <7203> 6,790円 +93 円 (+1.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>がいずれも3日続伸と上値追い、自動車株全般が買い優勢の展開となっている。きょう前場取引開始後に外国為替市場では急速にドルが買われる流れとなり、足もと1ドル=110円90銭台までドル高・円安が進行、これを受け為替感応度の高い自動車セクターは、輸出採算の改善期待から買いを誘っている。ただ、米国との通商摩擦問題に対する警戒感は依然としてくすぶっており、その分値運びは重い。
■エン・ジャパン <4849> 3,920円 +40 円 (+1.0%) 本日終値
エン・ジャパン<4849>が3日続伸。19日の取引終了後、子会社を通じてIT人材派遣業を展開するインドのフューチャー・フォーカス・インフォテック社の株式を取得し、孫会社化すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の株式取得は、IT分野の事業を強化するとともに、先端技術への対応を推進することでグループ及びフューチャー・フォーカス社の成長を図るのが狙い。3月7日付でフューチャー・フォーカス社の発行済み株数の72.28%を8億1300万ルピー(約12億6000万円)で取得するとしており、取得後は連結化する予定としている。なお、みなし取得日を3月31日とする予定であることから、19年3月期業績への影響はないとしている。
■大同特殊鋼 <5471> 4,730円 +40 円 (+0.9%) 本日終値
大同特殊鋼<5471>などの特殊鋼は総じてしっかり。20日付の日本経済新聞朝刊に、「トヨタ自動車は2019年度上期(4~9月期)、自動車部品メーカーが使う特殊鋼の値上げ受け入れた」と報じている。これを受け、特殊鋼各社が恩恵を受けるであろうとの思惑で買いが流入したようだ。 日経新聞では「今回、価格を上げるのはエンジン部品などに多く使う棒鋼や線材と呼ばれる特殊鋼」であるとし、「18年度下期(18年10月~19年3月)比で1トンあたり2000~3000円前後、値上げする。特殊鋼の値上げは半期ベースで2期連続となる」、としている。特殊鋼の主な原料であるスクラップの価格は足もと落ち着いていることで、利ザヤ拡大が期待される。同社のほか、日立金属<5486>、山陽特殊製鋼<5481>、愛知製鋼<5482>など主な特殊鋼メーカーの株価は総じてプラス圏で推移した。
■西武ホールディングス <9024> 2,016円 +15 円 (+0.8%) 本日終値
西武ホールディングス<9024>はしっかり。19日の取引終了後、JAL<9201>とハワイ島での新たなアクティビティ商品・サービスを共同開発することで基本合意したと発表しており、これが好材料視された。共同開発では、両社の強みを生かすことで、新たなハワイ島の旅行体験を創造することを目指すもの。その第1弾として、西武HDの所有する「ウェスティン ハプナ ビーチリゾート」において、大自然に囲まれながらラグジュアリーなアウトドア体験を満喫できる“グランピングサービス”を共同で開発。ホテル敷地内のグランピング専用エリアで、焚火によるコナコーヒー焙煎などのアウトドア体験や、地産食材にこだわったバーベキュー・ディナーを楽しめるようにしたという。
■東洋水産 <2875> 4,190円 +30 円 (+0.7%) 本日終値
東洋水産<2875>は3日続伸。19日の取引終了後、6月1日出荷分から「マルちゃん 即席麺商品」を値上げすると発表しており、同事業の採算改善への期待が高まっているようだ。今回値上げするのは、「赤いきつねうどん(レギュラーサイズ)」や「緑のたぬき天そば(同)」などのカップ麺や、「マルちゃん製麺シリーズ(5食パック)」などの袋麺の商品で、希望小売価格ベースで5~8%値上げする。原料費の上昇に加え、包材費、物流費、人件費などが高騰するなか、生産の合理化、資材調達や物流の効率化などの企業努力を重ねてきたが、商品の安定供給を図るために価格改定に踏み切ったとしている。
■オリエンタルランド <4661> 12,285円 +85 円 (+0.7%) 本日終値
オリエンタルランド<4661>は値運びこそ小刻みながら着実な上値追いで5日続伸。1月末を境に5日移動平均線をサポートラインとする大勢上昇トレンドが鮮明。昨年10月初旬の戻り高値でフシ目とみられていた1万2140円を上抜き、昨年来高値奪回も視野に捉えている。主力のテーマパーク事業は4~12月期に2ケタ増収増益と好調、開業35周年記念イベントの効果が発現する形となっている。また、「入園者数の伸びは同社が手掛けるホテル事業にも相乗効果を生んでいる」(国内証券アナリスト)状況にある。中期的にも相次ぐ新施設稼働が集客力に反映され、インバウンド需要なども追い風に業績拡大基調は続くとみられる。
■サイバーエージェント <4751> 3,355円 +20 円 (+0.6%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が反発。19日の取引終了後、「AbemaTV」とスポーツ・チャンネルの「DAZN」が、スポーツ界の盛り上げを目的にパートナーシップを締結すると発表しており、これが好感された。第1弾として、2月22日に開幕する明治安田生命Jリーグにおいて、JリーグクラブFC町田ゼルビアの全ホーム試合を「AbemaTV」の「SPORTSチャンネル」で完全無料生中継する。また、そのほかにもJリーグ試合のダイジェストや見どころなどを紹介する番組を放送するほか、FC町田ゼルビアにフォーカスしたサッカーリアリティーショーのレギュラー放送なども予定しているという。
■カルビー <2229> 3,100円 -50 円 (-1.6%) 本日終値
カルビー<2229>は続落。SMBC日興証券が19日付で、投資判断「2」を継続しつつ、目標株価を3200円から2900円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、包装資材や物流費の上昇、海外の売り上げ不振など事業環境の悪化は想定以上で、来期に向けてコスト高騰への手立てを早急に打つ必要があるが、コスト上昇に対応する動きは鈍く、かつ即効性のある収益回復策が乏しいと指摘。19年3月期の営業利益予想を275億円から269億円へ、20年3月期を同278億円から265億円へ、21年3月期を同282億円から273億円へそれぞれ下方修正している。
株探ニュース