【杉村富生の短期相場観測】 ─ 春のIPO(株式公開)シーズンが到来!

市況
2019年3月3日 9時15分

「春のIPO(株式公開)シーズンが到来!」

●3月相場は基本的に個別物色の展開!

3月相場については基本的に、個別物色の展開と考えている。外部環境は多少好転してきたとはいえ、相変わらず不透明だ。総論を語っていては相場に負ける。それに、この時期は例年、月決算期末、確定申告(納税資金のねん出)を控え、換金売りが増える。彼岸底はこうした事情に起因する。

物色テーマは「苦しいときの薬頼み」のセオリーに沿うバイオテクノロジーをはじめ、5G(次世代通信網)量子コンピューターM&A・TOB関連などがメーンとなろう。特に、バイオ関連セクターは軒並み高だ。ここが短期・順張りのターゲットだろう。

さらに、春のIPO(株式公開)シーズンが到来している。2月26日のリックソフト <4429> [東証M]、27日の東海ソフト <4430> [東証2]、28日のスマレジ <4431> [東証M]を皮切りに、3月28日までに20社の株式公開がある。

今回は小粒な企業が多い。このため、IPOでの公募株の入手は難しい。それと、3月5日の日本国土開発 <1887> 、13日のウイングアーク1st <4432> [東証]の2社は再上場だ。投資ファンドの“出口案件”(極端な話、ファンドが売っておしまい?)との見方ができる。

●セカンダリー市場の賢い投資術?

一般の投資家は上場後のセカンダリー・マーケットが主戦場になる。筆者はIPOの賢い投資術として(1)業種・業態を徹底チェックする、(2)公開株数の少ない銘柄を狙う、(3)上場後6ヵ月をメドに、海外ファンドが買うタイミングに合わせる、(4)あえて、不人気の銘柄を買い下がる……などを提唱している。

直近のIPOではKudan <4425> [東証M]の公開株数が19万5500株、リンク <4428> [東証M]が同28万5200株と少なかった。もちろん、(1)の条件に該当する。リックソフトは29万4400株、東海ソフトは69万株だ。Amazon Web Servicesのインフラ基盤構築を行っているサーバーワークス <4434> [東証M]は同32万2100株と希少なうえ、時流に乗る。恐らくフィーバーとなろう。

一方、“出戻り”のウイングアーク1stは公開株数が2095万5000株、売り出しが同株数の2095万5000株ある。上場市場は東証1部、ないしは2部といわれているが、これは苦労しそうだ。証券会社に「IPOがあるよ」と言われても断った方が良いと思う。いや、せっかく寄こすというのに、拒否するのはつれないが……。

2019年2月28日 記

株探ニュース

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