欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、リスク要因で米FOMC後の買いは限定的に

通貨
2019年3月20日 17時25分

20日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る値動きを予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の金融政策に関する慎重度合いを探る展開。想定ほどハト派寄りでなければドル買い戻しに振れるが、ブレグジットの不透明感などでドル買い、円売りは限定的となりそうだ。

本日のアジア市場は、日経平均株価の弱含みで円買い先行が予想されていたが、東京市場が春分の日で明日休場となることもあり、実需筋が五十日(ごとうび)に伴うドル買いを膨らませたようだ。その後日経平均株価は反転し、上海総合指数がプラス圏で推移した場面でドル・円は一時111円70銭付近まで値を切り上げた。日本株と中国株はその後前日終値付近で推移し円売りは抑制されたが、ドル・円は上昇余地が生まれた。

今晩は米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定が焦点。前日と本日のFOMCでの討議を踏まえ、政策金利は据え置きが織り込まれている。1月以降に発表されたインフレや成長率などの経済指標から米国経済の減速が示され、金利見通しやバランスシート縮小などをテーマに当初の引き締め姿勢を緩める見通し。市場では、現時点で年内1回の利上げがメーンシナリオとなっているもよう。

FOMC後の声明やパウエルFRB議長の発言が想定ほどハト派寄りでない場合には長期金利の上昇に連動したドル買いが観測されようが、株高が抑えられればドル買いは限定的となりそうだ。また、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の可能性も再浮上しており、円買いを誘発しやすい。ドル・円はリスク要因によりFOMC後の112円台の定着は想定しにくい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・18:30 英・2月消費者物価指数(前年比予想:+1.8%、1月:+1.8%)

・18:30 英・2月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.2%、1月:+2.1%)

・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表(政策金利は2.25-2.50%に据え置き予想)

・03:30 パウエル米FRB議長会見

《FA》

提供:フィスコ

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