27日の米国市場ダイジェスト:NYダウ32ドル安、米国債利回りの低下を嫌気
■NY株式:NYダウ32ドル安、米国債利回りの低下を嫌気
米国株式相場は下落。ダウ平均は32.14ドル安の25625.59、ナスダックは48.15ポイント安の7643.38で取引を終了した。1月貿易収支で赤字幅が予想以上に縮小し、買いが先行。その後は、長期金利の低下で長短金利の逆転がさらに広がるとの警戒感から下落に転じたものの、米中貿易交渉や英国のEU離脱の動向を見極めたいとの思惑もあり、下値は限られた。セクター別では、運輸や耐久消費財・アパレルが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が下落した。
医療保険会社のセンティーン(CNC)は、同業のウェルケア・ヘルス・プランズ(WCG)と173億ドルで買収合意したが下落。一方で、住宅建設会社のレナー(LEN)は、決算で受注好調が明らかとなり上昇。同業のトール・ブラザーズ(TOL)やKBホーム(KBH)も堅調推移。航空大手のサウスウエスト航空(LUV)は、1-3月期の業績見通しを発表し、2度の墜落事故の原因となった737MAX機運行停止による損失が予想より小さく、買い戻された。
ダラス連銀総裁は、利下げ実施には長短金利の逆転が一定の規模や長期に及ぶことを確認する必要があるとし、現時点で利下げを検討するのは時期尚早との考えを示した。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米早期利下げ観測でドルは伸び悩む
27日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円58銭まで上昇後、110円29銭まで下落し、110円50銭で引けた。1月の米貿易収支で赤字幅は予想以上に縮小したことを好感し、一時ドル買いが強まった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の理事候補ムーア氏のインタビュー記事、「FRBは軌道を修正し50ベーシスポイントの利下げが必要」を受けてドル売りや景気後退懸念を受けたリスク回避の円買いが再燃した。
ユーロ・ドルは、1.1283ドルから1.1242ドルまで下落して1.1246ドルで引けた。ユーロ・円は、124円61銭から124円05銭まで下落。ポンド・ドルは、1.3185ドルから1.3269ドルまで上昇。英国のメイ首相が自身の辞任を条件に、政府の離脱協定案の支持を議会に求めた。ただ、DUPは政府を支持しないと表明し、ポンド売りが再び優勢となっている。ドル・スイスは、0.9932フランから0.9961フランまで上昇した。
■NY原油:反落で59.41ドル、原油在庫の増加などが嫌気される
NY原油先物5月限は反落(NYMEX原油5月限終値:59.41 ↓0.53)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比-0.53ドルの59.41ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは58.81ドル-60.22ドル。一時60ドル台前半まで買われたが、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫が減少予想に反して増加していた(前週比+280万バレル)ことや、米国株安が嫌気されたようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 27.03ドル -0.18ドル(-0.66%)
モルガン・スタンレー(MS) 41.37ドル -0.51ドル(-1.22%)
ゴールドマン・サックス(GS)190.03ドル -0.66ドル(-0.35%)
インテル(INTC) 53.16ドル -0.28ドル(-0.52%)
アップル(AAPL) 188.47ドル +1.68ドル(+0.90%)
アルファベット(GOOG) 1173.02ドル -11.60ドル(-0.98%)
フェイスブック(FB) 165.87ドル -1.81ドル(-1.08%)
キャタピラー(CAT) 131.20ドル -0.64ドル(-0.49%)
アルコア(AA) 27.91ドル +0.37ドル(+1.34%)
ウォルマート(WMT) 97.21ドル -1.11ドル(-1.13%)
スプリント(S) 6.03ドル -0.37ドル(-5.78%)
《SF》
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