【投資部門別売買動向】海外勢の「短期筋の先物買い」と「長期筋の現物売り」の対立構図続く (3月3週)
●海外勢による「短期筋の大規模な先物買い」と「長期筋の巨額な現物売り」の対立構図が続く
東証が28日に発表した3月第3週(18日~22日)の投資部門別売買動向によると、FOMCがハト派姿勢を鮮明にしたことからリスク選好ムードが続き日経平均株価が前週末比176円高(0.82%高)の2万1627円と2週続伸したこの週は、証券会社の自己売買部門は7週連続で買い越した。買越額は4627億円と前週の7457億円から急減した。自社株買いが中心とみられる事業法人部門も8週連続で買い越し、買越額は255億円だった。
一方、海外投資家が8週連続で売り越した。売越額は3785億円と前週の5061億円から大幅に減少したものの、高水準が続いた。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経平均先物とTOPIX先物の合計で6週連続で買い越し、買越額は3481億円と前週の4183億円から減った。現物と先物の合算では3週連続で売り越し、売越額は303億円だった。個人投資家は2週連続で売り越したが、売越額は60億円にとどまった。
短期筋とみられる海外投資家による大規模な先物買いに対して、長期スタンスとみられる海外投資家の巨額な現物売りという対立構図が2月4週以降、4週続いている。
■投資部門別売買代金差額 (3月18日~22日)
東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全49社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
3月 ―――
第3週 ▲3,785 ▲328 ▲60 [ 109 ▲169 ] 21,627円 ( +176 円)
第2週 ▲5,061 ▲796 ▲1,280 [ ▲1,157 ▲123 ] 21,450円 ( +425 円)
第1週 ▲5,688 ▲424 1,779 [ 769 1,009 ] 21,025円 ( -577 円)
2月 ―――
第4週 ▲1,952 222 ▲896 [ ▲884 ▲12 ] 21,602円 ( +177 円)
第3週 ▲34 ▲734 ▲2,422 [ ▲1,936 ▲485 ] 21,425円 ( +524 円)
第2週 ▲655 1,026 ▲2,487 [ ▲1,883 ▲604 ] 20,900円 ( +567 円)
第1週 ▲1,536 ▲198 268 [ ▲331 600 ] 20,333円 ( -455 円)
1月 ―――
第5週 ▲1,294 1,064 ▲77 [ ▲331 253 ] 20,788円 ( +14 円)
第4週 1,201 ▲152 ▲757 [ ▲829 71 ] 20,773円 ( +107 円)
第3週 ▲542 259 ▲996 [ ▲887 ▲109 ] 20,666円 ( +306 円)
第2週 ▲2,905 385 ▲1,743 [ ▲1,004 ▲739 ] 20,359円 ( +797 円)
第1週 ▲2,086 208 416 [ 198 218 ] 19,561円 ( -452 円)
12月 ―――
第4週 ▲578 1,409 ▲1,703 [ ▲636 ▲1,067 ] 20,014円 ( -151 円)
第3週 ▲3,263 1,120 ▲1,065 [ ▲1,163 97 ] 20,166円 ( -1208 円)
第2週 ▲1,613 1,415 218 [ ▲83 301 ] 21,374円 ( -303 円)
第1週 ▲5,955 2,031 2,220 [ 695 1,524 ] 21,678円 ( -672 円)
11月 ―――
第4週 ▲2,101 1,450 ▲3,586 [ ▲2,805 ▲780 ] 22,351円 ( +704 円)
第3週 ▲1,967 401 ▲361 [ ▲437 76 ] 21,646円 ( -33 円)
第2週 ▲1,369 ▲670 1,074 [ 183 890 ] 21,680円 ( -569 円)
第1週 2,440 ▲1,358 ▲1,776 [ ▲1,757 ▲18 ] 22,250円 ( +6 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース