10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ6ドル高、利上げ凍結が続く公算
■NY株式:NYダウ6ドル高、利上げ凍結が続く公算
米国株式相場は上昇。ダウ平均は6.58ドル高の26157.16、ナスダックは54.97ポイント高の7964.24で取引を終了した。3月消費者物価指数(食品とエネルギー除く)が予想を下振れ、利上げ凍結が長期化するとの見方から買いが先行したものの日中は小動き。注目のFOMC議事録では、米国や世界経済の先行き不透明感やインフレ圧力の緩和を受けて、大半の当局者が年内利上げを見送る方針を支持したことが示され、引けにかけて緩やか上昇する展開となった。セクター別では自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で、公益事業や資本財が下落した。
衣料品のリーバイ・ストラウス(LEVI)は、3月の再上場後初となる決算発表が好感され上昇。格安航空会社ジェットブルー(JBLU)は、3月の利用客が約8%増加し堅調推移。航空大手のデルタ航空(DAL)は、決算内容が予想を上振れ買われた。先月末にニューヨーク証券取引所に上場した配車サービス大手リフト(LYFT)は、明日にも同業ウーバーが新規株式公開(IPO)するとの報道を受け大幅下落。航空機メーカーのボーイング(BA)は、欧州連合(EU)が米国による同社への補助金に対して報復関税を準備していることが報じられ軟調推移となった。
米上院の超党派議員団が、電気自動車(EV)購入に対する税額控除を拡大する提案を提出した。法制化されれば、テスラ(TSLA)に追い風となると見られる。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米3月コアインフレ率鈍化でドル売り
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円28銭から一時110円84銭まで下落したが、111円01銭で引けた。米3月消費者物価コア指数が予想を下回ったことや、米国債利回りの低下に伴うドル売りが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.1287ドルまで上昇後、1.1230ドルまで反落し、1.1275ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は予想通り政策金利を据え置いたが、TLTRO(条件付き長期リファイナンスオペ)の詳細が発表されなかったため、ユーロ買いが優勢となった。その後の会見でドラギ総裁が「経済が依然弱く、リスクも下方に傾斜している」との見方を示したことから、ユーロ売りが広がったが、押し目買いが入ったことで下げ渋った。ユーロ・円は、125円45銭まで上昇後、124円78銭まで反落。ポンド・ドルは、1.3055ドルから1.3120ドルまで上昇し、1.3094ドルで引けた。英国が無秩序な離脱を回避するとの期待にポンド買いが再燃。ドル・スイスは、0.9991フランまで下落後、1.0034フランまで反発した。
■NY原油:反発で64.61ドル、ガソリン在庫は予想以上の減少
NY原油先物5月限は反発(NYMEX原油5月限終値:64.61 ↑0.63)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比+0.63ドルの64.61ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは64.05ドル-64.70ドル。米エネルギー情報局(EIA)が10日発表した週間在庫統計でガソリン在庫は予想以上に減少したことや、ドル安が意識されたようだ。石油輸出国機構(OPEC)が減産体制を維持していることも引き続き支援材料となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.07ドル +0.18ドル(+0.62%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.45ドル +0.19ドル(+0.43%)
ゴールドマン・サックス(GS)202.98ドル +2.36ドル(+1.18%)
インテル(INTC) 55.75ドル +0.43ドル(+0.78%)
アップル(AAPL) 200.62ドル +1.12ドル(+0.56%)
アルファベット(GOOG) 1202.16ドル +4.91ドル(+0.41%)
フェイスブック(FB) 177.82ドル +0.24ドル(+0.14%)
キャタピラー(CAT) 137.53ドル +1.18ドル(+0.87%)
アルコア(AA) 29.15ドル +0.05ドル(+0.17%)
ウォルマート(WMT) 99.60ドル +0.91ドル(+0.92%)
スプリント(S) 5.94ドル +0.11ドル(+1.89%)
《SF》
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