大石哲之:4月15日週の仮想通貨市場【フィスコ・仮想通貨コラム】

通貨
2019年4月19日 12時27分

以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2019年4月19日に執筆

4月15日週のビットコイン(BTC)は55.5~59.4万円で推移している。59万円を一時回復する局面もあったものの11日の下落前の高値水準ということもあり、積極的に上値を追う展開にはつながっていない。一目均衡表では、転換線・基準線ともに横ばいが続く一方で、遅行線は価格との情報乖離を広げ買いシグナルを強めた。ボリンジャーバンドでは、1σと2σのレンジ推移を継続。下値めどとしては1σ58万円あたりが意識されそうだ。

今週は、ビットコインSV(BSV)でひと悶着があった。ビットコインSVを率いる主要メンバーであるCSWことクレイグ・ライト氏が、彼を詐欺師だとSNS上などで書いた人を片っ端から訴訟すると宣言、ビットコインキャッシュの主要メンバーであるロジャー・ヴィア氏は訴えてみろと応戦するなど、かつて無いほどコミュニティの様子は険悪だ。

こうした中、クレイグ・ライト氏との関わりに嫌気がさした大手仮想通貨取引所バイナンスのCEOはビットコインSVが上場基準を満たさないとして上場廃止すると宣言。まさかの宣言であったが、数日後には本当に廃止が決まった。これを気に、ビットコインSVは20%近く値を下げたが、急反発している。

他の取引所ではKrakenが上場廃止を決定、日本ではもともとビットコインSVは上場されていなかったが、コインチェックやSBIバーチャルカレンシーは上場の方向ではなく、現金に換金して配当するとしている。

バイナンスCEOが一存で廃止を決めたことはバイナンス・ショックとでもいうべき波紋を呼んでいる。これを中央集権的であるとして批判する人もいるが妙な話だ。バイナンスに取引が集中するといった中央集権は批判の対象だが、私企業のCEOが自社の判断で取り扱うコインを決めることは中央集権でなく、むしろ企業の意思決定に介入するほうが中央集権的である。バイナンスの経営判断が良いか悪いかは別として、取引所はより自由に取り扱うコインを決められるべきだろう。

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執筆者名:大石哲之

ブログ名:ビットコイン研究所

《SI》

提供:フィスコ

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