佐藤正和氏【平成から令和へ、10連休後の東京市場はどうなる】(2) <相場観特集>
―かつてない大型連休、相場の描く軌道に変化はみられるか―
週明け22日の東京株式市場は手掛かり材料難のなか方向感の定まらない動きとなり、結局日経平均株価は小幅ながらプラス圏で着地した。今週末から 10連休というかつてない大型連休に突入することもあって、買い手控えムードも漂うが、下値では買いが厚く、結果的に小幅なレンジでの値動きとなっている。連休前と連休後で株式市場は風景が変わるのかどうか。投資家としてもここでの投資スタンスの取り方には迷うところだろう。株式相場と為替の見通しについて、それぞれ先読みに定評のある専門家に話を聞いた。
●「10連休中の円高を警戒、注目イベント目白押し」
佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)
足もとでドル円相場は112円ライン前後での膠着相場が続いている。この状況に対して市場関係者のストレスはかなりたまっているが、今週末から始まるゴールデン・ウィークの10連休中に相場のレンジは上下どちらかに放れる可能性はあると思う。個人的には、円高進行もあり得るとみている。
東京市場は、今週末から長い休みに入るが、この期間中とその前後には注目材料が目白押しだ。まず24~25日には日銀金融政策決定会合が予定されている。市場には一段の金融緩和姿勢の強化の思惑もあり、その結果次第で相場が波乱状態となることもあり得る。
また、26日には米1~3月期国内総生産(GDP)が発表される。加えて、26~27日に開催される日米首脳会談は、市場の高い関心を集めそうだ。来年の米大統領選を控えトランプ政権は日米交渉で功績を上げたいとの意向を強めてもおかしくはない。それだけに交渉で、「為替条項」を入れる方向で話が進むこともあり得るだろう。
更に4月30~5月1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)があり5月3日には米4月雇用統計が発表される。4月30日の中国4月製造業購買担当者景気指数(PMI)なども注目されよう。
こうしたなか、今後1ヵ月程度のドル円相場のレンジは1ドル=109円00~113円50銭前後を想定している。トレンドは円高をみている。
ユーロは対ドルでは1ユーロ=1.100~1.450ドル、対円では1ユーロ=122円00~127円00銭前後。ユーロ圏の景気に不透明感が残るなか、ユーロ安のトレンドを予想している。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。
株探ニュース