【杉村富生の短期相場観測】 ─ 最悪シナリオが最良シナリオに変化する季節!

市況
2019年4月28日 9時15分

「最悪シナリオが最良シナリオに変化する季節!」

●主要指数が相次いで史上最高値を更新!

世界の株式市場は急速に、落ち着きを取り戻しつつある。いや、絶好調に近い。アメリカのS&P500指数、NASDAQ総合株価指数をはじめ、ブラジル・ボベスパ指数、インド・SENSEX30指数は相次いで史上最高値を更新している。これは昨年10~12月に唱えられていた「恐慌的な状況」の出現が完全に否定されたことを意味する。

すなわち、世界景気の失速、中国景気の底割れが回避され、米中貿易戦争のこれ以上の悪化(関税引き上げなどの報復合戦)はない、との読みである。イギリスのEU離脱交渉は10月末まで延長された。とりあえず、足もとでは最悪シナリオの「強行離脱」は消えた。こうした動き(リスク・オン)を背景に、 為替は1ドル=112円台の円安に振れている。

日米物品貿易協議の公式の場では、いまのところアメリカ側は「為替条項」を持ち出していない。すなわち、外部環境は急好転を示している。需給面では、昨年1月~今年3月に、何と15ヵ月間にわたって売りっぱなしだった(約8.2兆円の売り越し)外国人(現物)が4月に入って、第1週(6228億円)、第2週(1214億円)と2週連続で買い越した。このスタンスの変化は要注目である。

改めて述べるまでもない。日本株は世界的な規模での「景気敏感株」(輸出主導経済)とみられている。確かに、景気後退局面では買いづらい。しかし、それが遠のいたとなると、いつまでもアンダーウェートのまま“放置”するわけにはいかないだろう。

●4月30日の米アップル決算が焦点に!

もちろん、FRB・ECBの金融政策の転換、中国の必死の景気対策(33兆円の減税にくわえ、民間に資金を回せという強烈な行政指導の「125目標」など)の効果もある。昨年10~12月は投機筋が最悪シナリオをハヤし、先物を売りまくったが、ここにきて彼らの暗躍は影をひそめている。さすがに、この局面を売り込むのは「怖い」と考えていると思う。

ただ、問題は10連休(GW)、およびGW明け後だろう。とはいえ、4月30日~5月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)、4月30日の中国製造業PMI、5月3日の米雇用統計(4月)などのスケジュールをチェックすると、波乱要因は見当たらない。海外通の市場関係者は4月30日引け後の米アップルの決算を気にしている。

年初は1月3日に前日のアップルの決算悪をきっかけに、NYダウが660ドル安と暴落、為替は瞬間104円56銭の円高になって、大発会(1月4日)の日経平均株価は452円安と波乱のスタートになったのだが……。

まあ、今回はこんなことはあり得ない。状況が違う。とはいうものの、GW明け後には5月7日に66社、8日に170社、9日に277社、10日に600社、13日に368社、14日に527社、15日に447社と決算発表ラッシュを迎える。

ガイダンス・リスクに巻き込まれないためには、決算を発表済みの銘柄を狙う、これが有効だろう。

アマノ <6436> の2020年3月期は史上最高の決算になる。就業時間管理の国内最大手で、働き方改革関連との見方ができる。バリューコマース <2491> 、フィックスターズ <3687> の業績は際立っている。(次回の「杉村富生の短期相場観測」は5月4日8時に配信予定です)

2019年4月25日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.