底堅さは意識されるものの、トレンドは悪化傾向【クロージング】

市況
2019年6月3日 15時58分

3日の日経平均は4営業日続落。190.31円安の20410.88円(出来高概算12億2000万株)で取引を終えた。中国政府は1日、年間輸入総額600億ドル規模の米国製品に対する追加関税率を従来の最大10%から最大25%にする報復措置を発動するなど、米中の貿易摩擦はさらに激しくなっており、リスク回避姿勢の流れが強まった。円相場は1ドル108円前半と円高に振れて推移していることが重石にもなり、日経平均はギャップ・ダウンから始まり、寄り付き直後には一時20305.74円まで下げ幅を拡大させている。その後はこう着感の強い相場展開が続いており、大引けにかけてやや下げ幅を縮める中、20400円台を回復して終えている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1700を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは石油石炭、証券の下落率が3%を超えているほか、ガラス土石、水産農林、海運、鉱業、非鉄金属が軟調。一方で電力ガス、陸運、不動産など内需系の一角が小じっかりだった。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>が1社で日経平均を約70円下押ししたほか、ファナック<6954>、東エレク<8035>が重石に。半面、ファーストリテ<9983>が若干下支えしている。

ギャップ・ダウンで始まった後は下げ渋る展開となり、底堅さは意識されるものの、トレンドは悪化傾向であり、自律反発があったとしても、明確な反転は期待しづらいところであろう。グローベックスのNYダウ先物はやや下げ幅を縮めており、100ドル安程度で推移している。米国ではISM製造業指数の発表が予定されており、2か月ぶりの上昇が予想され、これが支援材料になる可能性はある。NYダウが25000ドルを下回る中、トランプ大統領の擁護的なツイッター発言も意識されやすい。

また、中国が策定すると発表した新たなブラックリストは、貿易を通じて中国市場に製品を供給する企業が主な標的となり、対中投資を行い本土内で生産している企業は必ずしもターゲットではないだろうとの見方もされている。過度な警戒感が和らぐ可能性もあるため、上値追いは慎重ながらも、下を売り込む流れにはなり難いだろう。オーバーナイトのポジションは取りづらく、しばらくは短期的な値幅取りでの日替わり物色に向かいやすい。

《CN》

提供:フィスコ

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