G20に向けての買い戻しが需給面での下支え/オープニングコメント

市況
2019年6月6日 8時53分

6日の日本株市場は、米株高の流れを好感するものの、買い一巡後のこう着感が意識されそうである。5日の米国市場では、NYダウが207ドル高と続伸となった。5月ADP雇用統計が予想を大幅に下振れ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が強まっている。また、地区連銀経済報告(ベージュブック)では、前回に比べて米経済が広範に拡大したことが指摘されたことも材料視されている。この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の20790円となり、朝方はこれにサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開になりそうだ。

もっとも、昨日の日経平均は米株高が好感される格好から367円高と大きく上昇したが、前場の日中値幅が150円程度に対して、後場は50円程度とこう着感が強まっていた。外部環境に振らされる格好から、ギャップ・アップ、ギャップ・ダウンで始まった後は日中動きづらい需給状況が続いており、手掛けづらい相場展開である。

また、米国とメキシコは、移民を巡るホワイトハウスでの当局者会合は合意に至らなかったと伝えられている。格付け会社のフィッチは、メキシコをBBBに格下げし、見通しを安定的に変更している。こういった流れも神経質にさせてくるだろう。その他、半導体SOX指数が下落しているが、通信半導体のスカイワークス・ソリューションズが取引先の中国・華為技術(ファーウェイ)への米政府の制裁を受けて業績予想を下方修正したことが嫌気されている。昨日は米中協議への進展への期待感から強含みとなった面もあり、戻り局面では短期筋の利食いも出やすい。

昨日の日経平均はギャップ・アップでのスタートとなったことから、テクニカル面ではアイランドリバーサル形状が意識されてくる。そのため、昨日クリアしている5日線での踏ん張りをみせたいところであろう。もっとも、パウエルFRB議長発言や米中貿易摩擦への過度な警戒感が後退したことが材料とはなったが、リバランス中心の流れには変わらず、ポジションを積極的に積み上げた動きとは考えづらい。

また、戻りの目処としては節目の21000円や25日線辺りが意識されてきそうだが、ギャップ・アップで達成できる水準でもあるため、オーバーナイトのポジションも持ちづらい需給状況の中では、日経平均の上昇ほど楽観的な見方にはつながらないだろう。一先ずG20に向けては売り方についてもポジション圧縮による買い戻しが意識されるため、景気敏感株の買い戻しを意識しておきたいところではある。

《AK》

提供:フィスコ

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