話題株ピックアップ【夕刊】(1):第一三共、NTTデータ、日本郵船
■トクヤマ <4043> 2,812円 +100 円 (+3.7%) 本日終値
トクヤマ<4043>が上値追い、全般相場が前週末に続き売りに押されるなか5連騰と気を吐いている。20年3月期営業利益は390億円予想と前期比2ケタ伸長となる見通し。これは設備トラブルによる影響が解消されたことと、5G関連投資に絡む半導体需要の増勢で多結晶シリコンの販売が増加していることが背景にある。また、歯科向け虫歯補修材料などヘルスケア事業にも経営資源を注いでおり、中期成長への期待が高まっている。
■第一三共 <4568> 5,977円 +188 円 (+3.3%) 本日終値
第一三共<4568>が反発。株価は今年2月中旬を境に25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を形成、今月19日には上場来高値6238円をつけている。前週末は全体相場軟調のなか大口の利益確定売りが出て水準を切り下げたが、きょうは早くも押し目買いが優勢となった。同社は24日、急性骨髄性白血病治療薬「ギザルチニブ」は米食品医薬品局(FDA)の審査完了報告通知を受領したことを発表。同社はがん治療分野に強く、このほか非小細胞肺がん治療薬「DS-1062」と「U3-1402」の開発などに対する期待が大きい。信用倍率は0.3倍、日証金では逆日歩がつくなど株式需給面では上値が軽い。
■NTTデータ <9613> 1,418円 +44 円 (+3.2%) 本日終値
NTTデータ<9613>が反発し年初来高値を更新。21日の取引終了後、アプリケーションのコンテナ移行や開発・運用に関するプロセスを支援する技術・ノウハウを有するインドのクラウドヘッジ・テクノロジーズ社と資本提携したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の資本提携は、クラウドヘッジの持つ高度な技術・ノウハウを、NTTデータが提供する既存IT資産を活用したデジタル化対応技術体系Legacy Digital Integration(レガシーデジタルインテグレーション)に取り入れるのが狙い。これを世界各国のNTTデータグループの幅広い顧客層に対して提供することで、顧客の迅速なデジタルトランスフォーメーションを支援するとしている。
■光通信 <9435> 23,380円 +490 円 (+2.1%) 本日終値
光通信<9435>が急反発。2月中旬を境に急速に上値追い態勢に入り、時価はITバブル時以来の高値水準で実質的な青空圏で強調展開を続けている。同社が大株主として出資する企業の株価がここ動意づくケースが増えている。「最近も多方面にわたる銘柄の株式を買い増す動きが目立っていることに加え、(出資する企業の)業績が拡大する傾向にあることがマーケットでも注目されているようだ」(国内証券マーケットアナリスト)という見方がある。前週末21日には、太平電業<1968>や新潟放送<9408>に対する株式買い増しが明らかになっている。
■JXTG <5020> 532.3円 +8.5 円 (+1.6%) 本日終値
JXTGホールディングス<5020>、出光興産<5019>など石油関連株が買われ、業種別値上がり率で2位となっている。ここ米国とイランの間で緊張が高まるなど地政学リスクも意識されるなか、原油市況が上昇基調にあり、前週末21日のWTI原油先物価格は続伸、終値で1バレル=57ドル台半ばまで上昇した。米国株市場ではエクソンモービルやシェブロンなどエネルギー関連株が買われており、東京市場でも原油市況の上昇と株価連動性の高い銘柄に買いが誘導されている。
■ウェザーニューズ <4825> 3,330円 +45 円 (+1.4%) 本日終値
ウェザーニューズ<4825>は朝安スタートも切り返し4日続伸。この日、天気アプリ「ウェザーニュース」の全機能を法人向けに提供開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。天気アプリ「ウェザーニュース」は、業界トップの観測網と1キロメートルメッシュの超局地的気象予測モデルで予報精度の高い気象情報を配信する、累計1700万ダウンロードの天気アプリ。今回の法人向けの提供開始で、個々での決済処理が不要となるほか、アカウントの一括管理ができるので、利用者が入れ替わる場合にも便利になる。また、契約アカウント数に応じて利用料が割引されるなどのメリットもあるとしている。
■ノエビアHD <4928> 5,850円 +70 円 (+1.2%) 本日終値
ノエビアホールディングス<4928>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は21日、同社株の投資判断を新規「B+」でカバレッジを開始した。目標株価は6500円とした。「なめらか本舗」や「エクセル」などドラッグストアなどで一般小売りしているセルフ化粧品が、近年の好業績をけん引している。また、「ノエビア」などカウンセリング化粧品は高価格帯商品が伸びている。19年9月期の連結営業利益は前期比3%増の117億円と最高益の見通し。潤沢なキャッシュを有し、無借金で自己資本比率やROE(株主資本利益率)も高いうえに年2回の株主優待実施など株主重視の姿勢も評価している。
■日本郵船 <9101> 1,669円 +18 円 (+1.1%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運株が買い優勢の展開、業種別値上がり率上位に食い込んでいる。米中首脳会談が今週末のG20大阪サミットに合わせて行われる見通しとなり、米中関係の悪化による世界景気減速への懸念がやや後退している。ばら積み船など海運市況は中国経済の影響が大きく、ここまで売り込まれた海運セクターには買い戻しの動きが続いている。なお、ばら積み船の運賃動向を表すバルチック海運指数は、前週末21日まで6日続伸、1239まで水準を切り上げている。
■住友ゴム工業 <5110> 1,252円 +11 円 (+0.9%) 本日終値
住友ゴム工業<5110>が反発。前週末21日の取引終了後、国内市販用タイヤの出荷価格を8月1日出荷分から平均で3%値上げすると発表しており、これを好材料視した買いが入った。人手不足などを背景に物流費が高騰しており、企業努力のみでこれを吸収することは困難であると判断したという。
■東テク <9960> 2,220円 +17 円 (+0.8%) 本日終値
東テク<9960>は後場プラスに転じた。午前11時15分ごろ、保有する子会社ケーピーエネルギー(KPE)の持ち分の全てを日本再生可能エネルギー(東京都港区)に譲渡すると発表しており、売却益などによる業績上振れへの期待が高まったようだ。今回の株式譲渡は、持ち分の譲渡により得た資金をコア事業である商品販売事業と工事事業に集中的に投下することで、グループの収益性の一層の向上を図るのが狙いで、KPEは連結子会社から除外されることになる。譲渡価額は39億1600万円(持ち分100%分)を基本譲渡価額とした上で、KPE社で発生する財務関連諸費用の金額を勘案して調整するとしており、また、20年3月期業績への影響は現在精査中としている。
株探ニュース