28日の米国市場ダイジェスト:上昇、米中首脳会談を注視
■NY株式:上昇、米中首脳会談を注視
米国株式相場は上昇。ダウ平均は73.38ドル高の26599.96、ナスダックは38.49ポイント高の8006.24で取引を終了した。昨日、米連邦準備制度理事会(FRB)による2回目のストレステスト(包括的資本分析)が終了し、資本計画の承認を受けて株主還元策を発表した大手行を中心に買いが先行。しかし、翌日の米中首脳会談を見極めたいとの思惑から上値は限られた。セクター別では、銀行や運輸が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
ストレステストに合格し、増配や自社株買いを発表したJPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、シティ・グループ(C)がなど金融関連銘柄が軒並み上昇。アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(STZ)は、決算内容が好感され、堅調推移。一方で、携帯端末のアップル(AAPL)は、ジョニー・アイブCDO(最高デザイン責任者)の退社を発表し、下落した。
アクティビスト(物言う投資家)のダニエル・ローブ氏は、複合企業のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)による防衛企業のレイセオン(RTN)買収計画に反対を表明した。同計画は既に大手ファンドのパーシング・スクエアを率いるビル・アックマン氏が反対しており、株主からの反対の声はさらに強まりそうだ。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル107.94円、米中首脳会談への不透明感から上値限定
28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円64銭へ下落後、107円94銭まで上昇し107円92銭で引けた。予想を上回った米国の5月コアPCE価格指数を受けて米国債利回りの上昇に伴うドル買いが優勢となった。その後、米中首脳会談への不透明感に米債利回りも低下に転じ、上昇も限定的となった。
ユーロ・ドルは、1.1392ドルから1.1351ドルまで下落して1.1369ドルで引けた。月末、四半期末で実需のドル買いが優勢になった。ユーロ・円は、122円79銭まで上昇後、122円47銭まで下落。
ポンド・ドルは、1.2687ドルから1.2735ドルまで上昇した。
ドル・スイスは、0.9747フランから0.9774フランまで上昇した。
■NY原油:反落、トランプ大統領の発言などを意識した売りが入る
6月28日のNY原油先物8月限は反落(NYMEX原油8月限終値:58.47 ↓0.96)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比-0.96ドルの58.47ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは57.75ドル-59.80ドル。トランプ大統領はイランへの対応について「時間的な制約は全くない」との見方を示したことから、米国とイランの二国間の緊張状態は緩和されつつあるとの見方が広がり、原油先物の売りが優勢となった。中東からの原油供給が大幅に減少する可能性は残されているものの、欧州各国が軍事衝突を回避するために調整を続けていることも材料視されているようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.00ドル +0.79ドル(+2.80%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.81ドル +0.32ドル(+0.74%)
ゴールドマン・サックス(GS)204.60ドル +5.28ドル(+2.65%)
インテル(INTC) 47.87ドル +0.41ドル(+0.86%)
アップル(AAPL) 197.92ドル -1.82ドル(-0.91%)
アルファベット(GOOG) 1080.91ドル +4.90ドル(+0.46%)
フェイスブック(FB) 193.00ドル +3.50ドル(+1.85%)
キャタピラー(CAT) 136.29ドル +0.79ドル(+0.58%)
アルコア(AA) 23.41ドル +0.28ドル(+1.21%)
ウォルマート(WMT) 110.49ドル +0.39ドル(+0.35%)
スプリント(S) 6.57ドル -0.02ドル(-0.30%)
《SF》
提供:フィスコ