サンコーテクノ Research Memo(8):3期連続の増収増益を目指す

特集
2019年7月4日 15時18分

■今後の見通し

●2020年3月期の業績見通し

2020年3月期についてサンコーテクノ<3435>は、売上高18,300百万円(前期比7.5%増)、営業利益1,390百万円(同5.5%増)、経常利益1,410百万円(同5.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益965百万円(同2.3%増)と増収増益を予想している。達成されれば3期連続の増収増益となる。

(1) ファスニング事業

ファスニング事業の売上高は、前期比1.1%(147百万円)減収の13,850百万円を計画している。サブセグメント別動向は以下のとおり。

金属系あと施工アンカーについては、前期比2%(約1億円)の増収を計画している。いわゆるオリンピック需要が顕在化すると期待されるなかで、2%増というのは低い印象だが、前期の増収率が1%だったことなどを踏まえて慎重に見たと推測される。

接着系あと施工アンカーは前期比1.5%増を計画している。接着系は土木分野向けの比率が高く、その意味では堅調な拡大が期待されるが、他方、ビル等建築向けで使用される割合が低いため、オリンピック需要の取り込みを織り込まず、金属系アンカーよりも低い成長率予想したと弊社ではみている。

各種工事関連の売上高は、前期の2,605百万円から約3億円(約12%)減収の23億円と計画している。前期に大型案件があって大きく伸びたことの反動減を織り込んだとみられる。工事監理への需要は強いが、同社は自社の工事部門のキャパシティを約23億円相当としており、その線で抑えたとみられる。

その他のファスニング材と海外売上高については、会社側からの言及はないが、セグメント全体の計画から逆算すると前期比横ばいで想定しているものと推測される。

ファスニング事業については上振れの可能性は十分あると弊社では考えている。理由はオリンピック需要だ。ここからの1年間は、オリンピックまでに間に合わせるための突貫工事が増加することが予想される。そうした場合には、現場合わせ・現場施工の割合が増え、それがあと施工アンカーの需要につながると想定されるためだ。工事についても上振れ可能性はあると考えているが、キャパシティの詳細が不明なため、当面は同社の計画線で見ておくことが安全だと考えている。

(2) 機能材料事業

機能材料事業は、前期比46.9%(1,421百万円)増収の4,450百万円を計画している。同社は2019年2月に浦和電研を、4月に成光産業をそれぞれ連結子会社化し、この2社の業績寄与分として12億円を織り込んでいる。したがって、オーガニックグロース分は約2.2億円となる。サブセグメント別動向は以下のとおり。

電動油圧工具は前期比6%増収を計画している。前期は欧州で在庫調整の影響により減収となったが、今期は回復を見込み、国内分と合わせた電動油圧工具全体で前期比6%増収を予想している。

アルコール検知器関連は前期比5%増収を計画している。同社の既存製品は高精度で、単価面も含めて大規模運送事業者に適した仕様となっている。しかし市場のボリュームゾーンは、小規模の運送事業者に適した、一定の精度を有しながら中低価格帯に位置する製品だ。同社はこの領域の新製品を期中に投入予定で、これが増収をけん引するとみている。

FRPシート関連は、一部製品市場からは撤退したものの、歩道橋補修などで使用されるFRPシート材料などが残っている。これらがインフラ補修需要の高まりから堅調な推移を予想し、前期比10%増収を計画している。

電子基板関連は、決算説明会において同社側からの言及はなかったが、セグメント全体の増収計画から逆算して前期比10%程度の増収を計画していると推定している。新規連結の浦和電研とのシナジーによる受注増などを想定しているとみている。

浦和電研と成光産業グループの寄与は売上高で12億円を織り込んでいる。両社の年商を単純に合算すると約15億円となるが、連結化初年度の2020年3月期は、両社ともに9ヶ月分の連結となるため12億円の織り込みとなった。利益面については、2020年3月期はゼロとしており、2021年3月期から利益面での貢献が具体化するとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《MH》

提供:フィスコ

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