来週の株式相場戦略=パウエル発言と安川電に注目、ハイテク株復活なるか

市況
2019年7月5日 17時40分

来週の東京株式市場は、今晩発表の米6月雇用統計に左右される面はあるものの、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言と安川電機<6506>の決算が焦点となりそうだ。この週は、米中首脳会談で米国による追加関税の発動が見送られたことなどが好感され、NYダウは最高値を更新。日経平均株価は2万1700円台を回復した。

来週は10~11日にパウエル議長が上下両院で議会証言を行う。今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げは、相場に織り込まれているが、一部には0.5%利下げを予想する見方も出ている。市場には「0.5%の利下げ期待は行き過ぎ」(アナリスト)との見方も少なくない。そんななか、パウエル議長の発言が関心を集めており、その内容次第で相場は大きく動く可能性がある。

また、11日の安川電の第1四半期(3~5月)決算は、今月下旬から本格化する企業決算を先取りするものとして注目度が高い。第1四半期は中国需要の不振などで、厳しい内容も見込まれているが、「焦点は第2四半期以降に向けたガイダンス」(同)だ。内容が前向きに捉えられるようなら、FA関連株やハイテク株の復活に弾みがかかる可能性がある。

8日と10日にはETF(上場投信)の決算日が集中する。同決算日には分配金捻出のために現物株や先物に売りが出ることが懸念されているが、もしこの要因による下落があっても、一時的なものとみられている。

チャート上では日経平均は200日移動平均線(2万1600円前後)が下値支持線となっている。上値のメドは5月初旬に急落した際のマドの上限である2万1870円前後。来週の日経平均株価の想定レンジは2万1650~2万1900円で、全体的には強含みの展開が期待される。

来週は海外では10日に中国6月消費者物価、11日に米6月消費者物価、12日に中国6月貿易収支が発表される。国内では8日に5月機械受注、9日に6月工作機械受注が公表される。9日には吉野家ホールディングス<9861>、10日に良品計画<7453>、11日にファーストリテイリング<9983>の決算発表が予定されている。(岡里英幸)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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