5日の米国市場ダイジェスト:米国株は下落、利下げ観測が後退

市況
2019年7月8日 7時53分

■NY株式:米国株は下落、利下げ観測が後退

米国株式相場は下落。ダウ平均は43.88ドル安の26922.12、ナスダックは8.44ポイント安の8161.79で取引を終了した。6月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比22.4万人増と予想を大きく上振れ、金融当局による利下げ期待が後退し、売りが先行。米長期金利の上昇で金融セクターに買いが広がり、下げ幅を縮小したものの、利益確定の動きも散見され、小動きとなった。セクター別では、銀行や電気通信サービスが上昇する一方で医薬品・バイオテクノロジーや家庭用品・パーソナル用品が下落した。

長期金利の上昇で、ゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が上昇。スポーツ用品のナイキ(NKE)は、米国女子代表チームの決勝進出で同社商品の人気が高まるとの見方から買われた。一方で、ゲーム大手のエレクトロニック・アーツ(EA)は、人気無料ゲーム「ApexLegends」の続編の提供が2日に開始されたものの、一日当たりの利用者が前作から減少し、下落。トランプ大統領が薬価引き下げに関する大統領令を準備していることを発表し、アッヴィ(ABBV)やメルク(MRK)など製薬関連銘柄に売りが広がった。

来週はペプシコ(PEP)やデルタ航空(DAL)を皮切りに4-6月期決算シーズンに突入する。決算発表シーズンに入ることで主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まるため、利益に対して割安感のある銘柄の株価水準が見直されることになるだろう。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米非農業部門雇用者数の急回復で利下げ観測後退しドル買い

5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円07銭から108円64銭まで上昇し、108円47銭で引けた。この日発表された米国の6月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回る22万人台に増加したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測がやや後退、米10年債利回りが一時2.06%台まで急反発し、全体的にドル買いが広がった。

ユーロ・ドルは1.1270ドルから1.1207ドルまで下落し、1.1225ドルで引けた。ユーロ・円は121円62銭から121円93銭でもみ合った。

ポンド・ドルは1.2562ドルから1.2481ドルまで下落。

ドル・スイスフランは0.9876フランから0.9932フランまで上昇した。

■NY原油:小幅続伸で57.51ドル、需要回復期待による買い勝る

NY原油先物は小幅続伸(NYMEX原油8月限終値:57.51↑0.17)。56.49ドルから一時57.77ドルまで上昇した。世界的な需要後退思惑による売りが先行した後、米国の6月非農業部門雇用者数の大幅増加を受けて景気減速懸念が弱まり、需要回復期待による買いが優勢になったとみられる。イランをめぐる中東の地政学的リスクへの懸念もある程度下支えになった可能性。ただ、一方で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測がやや後退し、株安、ドル高となる状況が重しとなり、上昇幅は限られた。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.26ドル +0.21ドル(+0.72%)

モルガン・スタンレー(MS) 44.21ドル +0.22ドル(+0.50%)

ゴールドマン・サックス(GS)207.90ドル +1.86ドル(+0.90%)

インテル(INTC) 48.08ドル -0.44ドル(-0.91%)

アップル(AAPL) 204.23ドル -0.18ドル(-0.09%)

アルファベット(GOOG) 1131.59ドル +10.01ドル(+0.89%)

フェイスブック(FB) 196.40ドル -0.80ドル(-0.41%)

キャタピラー(CAT) 135.49ドル -0.10ドル(-0.07%)

アルコア(AA) 23.13ドル +0.43ドル(+1.89%)

ウォルマート(WMT) 111.98ドル -0.34ドル(-0.30%)

スプリント(S) 7.04ドル +0.06ドル(+0.86%)

《SF》

提供:フィスコ

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