引き続きこう着感の強い相場展開に/オープニングコメント

市況
2019年7月16日 8時27分

16日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。15日の米国市場は、NYダウは最高値を更新しているが、27ドル高と小幅な上昇にとどまっている。中国の4-6月期GDP成長率が27年ぶりの低成長となり、貿易摩擦の影響が懸念されたほか、本格化する4-6月期決算発表を前に見極めムードが強まっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円安の21595円。円相場は1ドル107円80銭台と、やや円高に振れて推移していることも重石になりそうだ。

また、トランプ米大統領は、祖先が国外出身の野党・民主党の女性議員らに「アメリカから出て行っても良い」と改めて攻撃したことに批判が集まっているほか、ロス商務長官の解任を検討していることも報じられており、政権運営への先行き不透明感が高まりつつあることも手掛けづらくさせそうだ。

一方で足元の日経平均は21500円処での底堅さが意識されており、下を売り込む流れにはなりづらいだろう。今週末に迫った参院選については、自民、公明両党は改選124議席の過半数63議席を超える勢いをみせているとの世論調査の結果が伝えられていることも安定政権運営への期待にもつながりそうであり、これが下支えとなる。ETFの決算に伴う分配金捻出のための機械的な売りは一巡しているため、売り圧力といった需給は軽くなるだろう。

もっとも、引き続き市場参加者は限られている。先週末はミニとは言え、SQながらも東証1部の売買代金は2兆円に届かず、これで9営業日連続での2兆円割れとなっている。まずは出来高が膨れてくる環境を待ちたいところであろう。7月限オプションSQ概算値21742.57円が心理的な抵抗としても意識されやすいだろう。

その他、米国では主要企業の決算が本格化するが、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど金融の決算についてはそれ程期待も高くなく、アルコアの決算についても米中摩擦の影響から慎重な見方であろう。その為、決算を嫌気した流れも限られると考えられる。一方で、マイクロソフトやネットフリックスなどの決算が期待されそうだ。

なお、本日16日より株式等の決済期間短縮化(T+2化)により、株式等の受渡日が1営業日早まることとなる。流動性が増すとの見方があるが、一方でシステム障害等などが警戒されている。資金回転がより早まることから、中小型株の値動きの荒さも意識されそうである。

《AK》

提供:フィスコ

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