話題株ピックアップ【夕刊】(1):アスクル、北の達人、ディップ

注目
2019年7月17日 15時12分

■バロック <3548>  1,077円  +150 円 (+16.2%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

バロックジャパンリミテッド <3548> がストップ高。16日大引け後に発表した20年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は16.6億円で着地。前期に決算期を変更したため、前年同期との比較はないが、会社発表の参考実績との比較で55.9%の増益となったことが買い材料視された。国内で主力ブランド「MOUSSY」や百貨店系アパレルブランド「ENFOLD」の販売が好調だった。正価販売の強化や仕入れ原価の低減などで採算が改善したことも利益を押し上げた。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の3.0%にあたる110万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■アスクル <2678>  2,606円  +283 円 (+12.2%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

アスクル<2678>が大幅高。午前の日本経済新聞電子版で「アスクルが筆頭株主のヤフーに対し、資本・業務提携の解消を申し入れたことがわかった」と報じられた。ヤフー<4689>はアスクルに対して、「LOHACO(ロハコ)」事業を譲渡するよう申し入れたとも伝えられており、資本・業務提携が解消されれば「LOHACO」事業を維持し、業績への影響を避けられるとの見方から買いが入っているようだ。これに対してアスクルでは、「当社が発表したものではない。ヤフー社より当社社長に対する退陣要求を受けていること、並びに当社からヤフー社に対し提携関係の解消協議を申し入れたことは事実だ」とコメント。ヤフー<4689>も午前中に、8月2日に開催を予定している第56回定時株主総会で、岩田彰一郎社長の再任に反対の議決権を行使する予定であると発表している。

■イオンファンタジー <4343>  2,624円  +273 円 (+11.6%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

16日に発表した「国内単体の6月既存店売上高は13.2%増」が買い材料。

国内単体の6月既存店売上高は前年同月比13.2%増と5ヵ月連続で前年実績を上回った。

■北の達人 <2930>  666円  +52 円 (+8.5%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

北の達人コーポレーション<2930>が続伸、年初来高値近辺で売り物をこなしている。同社は化粧品や健康食品を主軸とするネット通販を展開。健康食品では主力の「カイテキオリゴ」などが好調で業績を牽引する一方、化粧品では最先端の美容トレンドとして脚光を浴びるマイクロニードルのブームを捉えることに成功した。“刺すヒアルロン酸化粧品”として話題を呼んでいる「ヒアロディープパッチ」が大ヒットし足もとの収益を押し上げている。先行予約が2万個を突破した眉間専用のエイジングケア化粧品「ミケンディープパッチ」を今月9日から発売、今後の売り上げ寄与に期待が高まっている。同社の19年3~5月期営業利益は前年同期比22%増の5億5300万円と好調。20年2月期通期では前期比45%増の27億200万円を見込んでいる。

■インソース <6200>  2,785円  +183 円 (+7.0%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

インソース<6200>が大幅続伸。企業向けに講師派遣や公開講座などの研修事業を展開、豊富な研修コンテンツを武器に企業の旺盛な人材育成ニーズを取り込み業績に反映させている。また、外国人社員の受け入れ研修コンテンツについても開発済みで、4月からの出入国管理法改正に伴う商機も捉えている。16日に6月の講師派遣型研修実施回数などを発表。講師派遣型研修実施回数は前年同月比8.9%増、公開講座受講者数は同19.8%増といずれも高い伸びを示しており、これが株高を後押ししている。18年9月期営業利益は前の期比58%増の9億3700万円と大幅な伸びを示し、19年9月期も前期比24%増益の11億6000万円予想と高成長を継続する見込み。

■ディップ <2379>  2,060円  +120 円 (+6.2%)  本日終値  東証1部 上昇率10位

ディップ<2379>が大幅高で2000円台を回復。同社は求人情報サイトを運営、「バイトルNEXT」や「はたらこねっと」などを主力に展開する。20年2月期は営業利益が128億~136億円(前期比0.4~6.7%増)を予想。ひと頃の利益成長トレンドは鈍化しているもののトップラインは引き続き増収基調を継続している。RPA事業に注力しているが、「RPA事業シフトに伴う既存事業のリソース異動は行わない方針を示していることから既存事業の成長性も維持される」(中堅証券アナリスト)としている。きょうは「国内大手証券が目標株価を1780円から2000円に引き上げているが、時価は既にその目標株価を上回っている。昨年来大幅な調整を入れていたことで、目先はファンド筋などの売り圧力が枯れており、上値が軽くなっている」(準大手証券ストラテジスト)という。

■ソフトウェア・サービス <3733>  11,000円  +590 円 (+5.7%)  本日終値

ソフトウェア・サービス<3733>はマドを開けて続伸、年初来高値を更新した。同社は医療機関向けに電子カルテや情報伝達システムの開発・販売事業を営み、医療現場におけるIT化需要を背景に事業規模を拡大している。16日引け後に発表された6月度月次売上高は32億1200万円(前年同月比3.2倍)、受注高は22億1500万円(同74.9%増)といずれも好調な数字となっている。月別の変動があるものの、19年10月期累計値でも売上高が同28.7%増と会社側計画線の19.5%増を上回っていることを評価した買いが流入している。

■パークシャ <3993>  5,970円  +280 円 (+4.9%)  本日終値

PKSHA Technology<3993>が急反発。ここ急速な調整を入れていたが、目先売り圧力が一巡するなか、押し目に買い向かう動きが観測され切り返しに転じている。同社は人工知能(AI)アルゴリズムを活用したソフトのライセンス販売を手掛け、人材面で優秀なAIエンジニアを囲い込んでいることが強みとなっている。12日に354万株の公募と上限53万1000株のオーバーアロットメントによる売り出しを発表、これによる1株利益の希薄化や株式需給関係の悪化を嫌気する売りに晒された。ただ、約200億円の調達資金の一部をアルゴリズムの研究開発などに充てる方針で成長投資との捉え方もできる。業績は急成長が続いている。主力の画像認識ソフトや顧客対応自動化ソフトなどが高水準の需要を捉えており、19年9月期は営業利益段階で前期比51%増の9億円を見込んでいる。

■日本国土開発 <1887>  562円  +20 円 (+3.7%)  本日終値

日本国土開発<1887>が全般地合い悪のなか強さをみせ、前日に続き上値を指向している。同社は重機土木工事や建築を手掛ける。16日取引終了後に発表した19年5月期の営業利益は前の期比7%減の145億7600万円となったが、年間配当については前の期実績に対し17円増配の32円を実施することを発表、従来計画の27円50銭から大幅増額となり、これを好感する形で買いを引き寄せた。同社は今年3月に20年ぶりに再上場を果たし、その際に配当性向30%を目標に掲げていた。今回の増配はそれに沿ったもので、株主還元の強化が好感された。なお、20年5月期業績は営業利益が前期比32.8%減の98億円を予想している。

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