19日の米国市場ダイジェスト:下落、地政学リスクが相場の重しに
■NY株式:下落、地政学リスクが相場の重しに
米国株式相場は下落。ダウ平均は68.77ドル安の27154.20、ナスダックは60.75ポイント安の8146.49で取引を終了した。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)の好決算や、航空機大手のボーイング(BA)が旅客機「737 MAX」を巡る関連費用を明らかにしたことが好感され、買いが先行。その後は米中高官が電話協議を実施したことが伝わり、今後の米中協議を見極めたいとの思惑が広がったほか、イラン情勢を巡る地政学リスクへの懸念から小動きとなったが、引けにかけて下落に転じた。セクター別では、資本財やエネルギーが上昇する一方で不動産や公益事業が下落した。
ボーイングは、「737 MAX」の運航停止や納入遅延に対する補償額である49億ドルを4-6月期決算に計上することを発表した。損失規模が明らかになり不透明感が後退したことから上昇。鉄道会社のカンザスシティ・サザン(KSU)は、決算内容が好感され、堅調推移。マイクロソフトは、クラウド事業が好調で増収増益決算となり、最高値を更新した。一方で、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(AXP)は、カード保有者の特典利用を巡るコスト負担が過去最高となり、下落した。
セントルイス連銀総裁は、次回FOMCで0.25%の利下げを支持した。来週も多くの主要経済指標の発表が予定されており、内容次第で利下げ幅が0.25%か、0.5%かについての市場予想が変化すると考えられる。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル107.74円、FOMC50bp利下げ期待を受けた売りが後退
19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円59銭から107円98銭まで上昇し、107円74銭で引けた。7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイントの利下げ期待を受けたドル売りが後退したほか、イラン革命防衛隊が英国籍のタンカーを拿捕したとの報道を受けた中東情勢の緊張に「有事のドル買い」が優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.1239ドルから1.1204ドルまで下落し、1.1221ドルで引けた。イタリア連立政権の存続が危ぶまれていることを不安視したユーロ売りや、ドイツ紙が「欧州中央銀行(ECB)は国債購入の再開などの追加緩和の準備をしている」と報じたため域内の金利先安感にユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は、120円98銭から120円81銭まで下落。
ポンド・ドルは、1.2539ドルから1.2476ドルまで下落した。
ドル・スイスは、0.9808フランから0.9845フランまで上昇した。
■NY原油:反発、中東の地政学的リスクの高まりを反映
19日のNY原油先物8月限は反発(NYMEX原油8月限終値:55.63 ↑0.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比+0.33ドルの55.63ドルで通常取引を終えた。イラン革命防衛隊がホルムズ海峡で英国籍のタンカーを拿捕したとの報道を受けて、中東緊張が高まり供給が限定的となるとの懸念が広がった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.40ドル -0.08ドル(-0.27%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.39ドル -0.04ドル(-0.09%)
ゴールドマン・サックス(GS)213.52ドル -1.00ドル(-0.47%)
インテル(INTC) 50.27ドル +0.33ドル(+0.66%)
アップル(AAPL) 202.59ドル -3.07ドル(-1.49%)
アルファベット(GOOG) 1130.10ドル -16.23ドル(-1.42%)
フェイスブック(FB) 198.36ドル -2.42ドル(-1.21%)
キャタピラー(CAT) 136.23ドル +2.37ドル(+1.77%)
アルコア(AA) 23.11ドル -0.30ドル(-1.28%)
ウォルマート(WMT) 113.90ドル -0.82ドル(-0.71%)
スプリント(S) 6.95ドル +0.03ドル(+0.43%)
《SF》
提供:フィスコ