話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソニー、アルプスアル、大日本住友
■日鉄ソリューションズ <2327> 3,690円 +235 円 (+6.8%) 本日終値
日鉄ソリューションズ<2327>が大幅反発。30日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高816億6400万円(前年同期比39.8%増)、営業利益79億3600万円(同55.1%増)、純利益50億9000万円(同69.6%増)と大幅増益となったことが好感された。中央官庁向け大型プロダクト案件の増加や、産業・流通・サービス分野における大型基盤案件の寄与、日本製鉄向けサービスソリューションの増加などが業績を牽引。販管費の増加はあったものの売り上げ増で吸収した。20年3月期通期業績予想は、第1四半期に受注した下期売り上げ計上予定の中央官庁向け大型プロダクトの販売を見込み、売上高を従来予想の2800億円から2860億円(前期比7.8%増)へ上方修正した。なお、営業利益272億円(同5.9%増)、純利益180億円(同5.2%増)は従来見通しを据え置いている。
■プロトコーポレーション <4298> 1,139円 +65 円 (+6.1%) 本日終値
プロトコーポレーション<4298>は切り返し年初来高値を更新。午前10時30分ごろ、20年3月期の連結業績予想について、最終利益を32億7400万円から45億1200万円(前期比42.8%増)へ上方修正したことが好感された。東京本社の移転に伴い、第2四半期に固定資産譲渡に伴う特別利益(約18億円)の計上を見込んでいることが要因という。なお、売上高624億3100万円(同0.3%増)、営業利益49億1600万円(同7.7%増)は、従来見通しを据え置いている。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高146憶99800万円(前年同期比7.1%減)、営業利益14億4800万円(同14.6%増)、純利益10億3500万円(同13.2%増)だった。物品販売の減少などで減収となったが、グーシリーズにおけるコスト構造の見直しや連結子会社における不採算事業の廃止などが寄与し増益となった。
■ソニー <6758> 6,170円 +311 円 (+5.3%) 本日終値
ソニー<6758>が急反発し年初来高値を更新。30日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高及び営業収入1兆9257億円(前年同期比1.4%減)、営業利益2309億2500万円(同18.4%増)、純利益1521億2200万円(同32.8%減)と2ケタ営業増益だったことが好感された。テレビやスマートフォン、デジタルカメラの販売台数が減少したエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野が落ち込んだほか、前年同期に自社制作ゲームソフトウェアの売上貢献が大きかったゲーム&ネットワークサービス分野も苦戦し売上高及び営業収入は減収となったが、イメージング&センシング・ソリューション事業でモバイル機器向けイメージセンサーが売り上げを大きく伸ばしたことや、前年同期に音楽事業でEMIの持ち分法による投資損失の計上があった反動などが営業利益を押し上げた。20年3月期通期業績予想は、ゲーム&ネットワークサービス分野及びエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野の売上高の見通しを下方修正し、売上高を従来予想の8兆8000億円から8兆6000億円(前期比0.8%減)へ下方修正したが、営業利益8100億円(同9.4%減)、純利益5000億円(同45.4%減)は従来見通しを据え置いている。なお、第2四半期以降の前提為替レートは1ドル=108円前後(従来110円前後)、1ユーロ=123円前後(同125円前後)としている。
■メディシノバ・インク <4875> 1,043円 +50 円 (+5.0%) 本日終値
メディシノバ<4875>は4日ぶりに反発。この日の寄り前に、国立循環器病研究センターと共同研究契約書を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回開始する共同研究は、同社が繊維症疾患治療薬として開発中のMN-001について、脂質代謝やメタボリックシンドロームなどの疾患に及ぼす作用についての包括的な研究を同センターの脂肪代謝研究グループと共同で行うというもの。MN-001の潜在的価値を高める可能性につながると期待されている。なお、同件19年12月期業績へ与える影響は軽微としている。
■松屋フーズ <9887> 3,595円 +145 円 (+4.2%) 本日終値
松屋フーズ<9887>が後場終盤に急伸。午後2時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高255億4200万円(前年同期比8.2%増)、営業利益12億6900万円(同67.3%増)、純利益6億6900万円(同50.8%増)と大幅増益となったことが好感されている。新商品や期間限定メニューの復刻販売などの効果で既存店売上高が前年同期比4.3%増となったことに加えて、前期以降の出店が売上高を押し上げた。また、売上原価と人件費の合計であるFLコストの売上高比が前年同期の67.6%から66.6%に1ポイント改善したことも増益に寄与した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高1040億5000万円(前期比6.0%増)、営業利益41億5000万円(同6.8%増)、純利益22億円(同0.1%増)の従来見通しを据え置いている。
■アンリツ <6754> 2,022円 +79 円 (+4.1%) 本日終値
アンリツ <6754> が大幅反発。30日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比44.5%増の25.3億円に拡大して着地したことが買い材料視された。モバイル市場で5Gチップセットや携帯端末の開発需要が拡大し、主力の計測器などの販売が伸びたことが寄与。通期計画の100億円に対する進捗率は25.3%に達し、5年平均の14.5%も上回った。
■リョーサン <8140> 2,671円 +101 円 (+3.9%) 本日終値
リョーサン<8140>が大幅続伸、前場取引時間中に9%超の値上がりで一気に2800円台まで上値を伸ばす場面があった。半導体商社でルネサスエレクトロニクス<6723>の製品を主力に取り扱っている。同社が30日取引終了後に発表した19年4~6月期決算は売上高が前年同期比8.8%減の579億4300万円と減収ながら、最終利益は同60.8%増の6億6500万円と大幅な伸びをみせた。これをポジティブ視する形で投資資金が流入した。株価は2500円近辺を下限に約2カ月半にわたり底練りを続けていただけに、きょうは全般下げ相場のなかも買いが入りやすくなっていた。
■共英製鋼 <5440> 1,851円 +65 円 (+3.6%) 本日終値
共英製鋼<5440>が後場一段高。午後1時ごろ、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、営業利益を52億円から90億円(前年同期比2.1倍)へ、純利益を32億円から55億円(同81.1%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は1250億円(同12.9%増)の従来見通しを据え置いたものの、鉄スクラップ価格が想定を下回る水準で推移していることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高629億2500万円(前年同期比23.8%増)、営業利益45億9800万円(同2.1倍)、純利益28億6300万円(同44.2%増)で着地。20年3月期通期業績予想は売上高2550億円(前期比5.3%増)、営業利益110億円(同19.6%増)、純利益70億円(同7.6%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、東京鉄鋼<5445>と環境リサイクル事業で業務提携すると発表した。両社は08年5に包括的技術提携契約を締結し、環境リサイクル事業分野における技術面での情報交換や廃棄物処理の一部委託、リサイクル展示会における共同のPR活動の実施などで協力関係にあったが、協力関係をさらに発展させ同事業の拡大を図るのが狙いとしている。
■アルプスアルパイン <6770> 2,000円 +64 円 (+3.3%) 本日終値
アップル関連株が高い。前日に決算を発表したアルプスアルパイン<6770>が急伸したほか、TDK<6762>も値を上げ、フォスター電機<6794>も大幅高。米アップルが日本時間の31日早朝に発表した19年7~9月期の売上高見通しは610億~640億ドルとアナリスト予想(約610億ドル)を上回った。4~6月期の実績も1株当たり利益2.18ドルと予想(2.1ドル)を超過した。4~6月期はiPhoneの売り上げは減少したが、サービス事業などの売り上げは好調だった。中華圏の業績が改善した。予想を上回る決算を受け、アップルの株価は時間外取引で上昇。これを受け、東京市場でもアップル関連株が買い先行となった。
■大日本住友製薬 <4506> 2,007円 +63 円 (+3.2%) 本日終値
大日本住友製薬<4506>は後場上げ幅を拡大。この日、「統合失調症」及び「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症として、ルラシドン塩酸塩の国内における製造販売承認申請を行ったと発表しており、これを好材料視した買いが入った。ルラシドンは、同社が創製した独自な化学構造を有する非定型抗精神病薬。米国などでhは「ラツーダ」の製品名で販売されており、北米における18年度の売上高は1845億円だった。今回、ルラシドンが国内で承認されれば、統合失調症及び双極性障害におけるうつ症状の新たな治療選択肢を提供することができ、同社業績への貢献が期待されている。
株探ニュース