「兜町放浪記」:「老後2000万円問題」と株式市場【FISCOソーシャルレポーター】

市況
2019年7月31日 16時40分

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2019年7月31日9時に執筆

夏の参院選が目前に迫ってきた先月、与党自民党が血相を変えるような金融庁の報告書がお茶の間ニュースの主役に躍り出た問題は、政治的な幕引きに麻生財務相が同報告書を受け取らないとか言い出す始末の末、結局、選挙戦の争点とはならずに忘れ去られようとしている。

「老後に2000万円必要」とは決して新しいフレーズではなく、これまでも金融機関の預金獲得競争の宣伝でもよく目にしてきた。「老後には1ヶ月30万円以上必要」とか聞かされると、「どれだけ贅沢する気か!!」とツッコミたくなったものだ。

そもそも年金だけで生活できる人もいれば、できない人もいる。蓄えゼロの人もいれば、コツコツ貯め込んだ人もいる。お金の準備が「できる人とできない人」なのか「取り組んだ人とやらなかった人」なのか。

現在の世の中は前者の「できる人とできない人」問題になっている気がする。正規雇用・非正規雇用格差であったり、雇用形態は同じでも収入格差があったり、堅実家と浪費家の違いによっても老後のお金に苦労する要因は様々だ。

サラリーマンの誰しも憧れる「優雅なリタイヤ生活」はすでに夢物語のようだ。年金支給年齢が65歳になり、60歳前後で離職する者にとっては、年金支給開始までの5年間をどうやって食いつなぐかがサバイバルとなるし、ようやく年金受給がはじまっても手にする金額は22歳入社で60歳退社し平均年収500万円と仮定した場合でも、月額15万円程度だ。

すでに住宅ローンを終え、こどもが独立していればなんとかやっていけるが、日々倹約に血眼になることは確実だろう。「芸は身を助く」とは個人投資家のために用意された言葉のようで奥深い表現ではないか。株式市場が日本経済を素直に投影するならば、個人投資家が株の儲けで生活を豊かにできるはずだ。

投資家生活で味わう「ヒヤヒヤ、ドッキリ」はお金を払ってでも感じ続けたい最高のストレスだろう。夢の年金暮らしより、夢の投資家人生の方が私には合っている。そんな人種を食わせていける株式市場であって欲しい。株式市場が国民共有の財産としてしっかり機能してくれさえすれば、老後問題なんて誰も心配しなくなるだろう。

直近の地合いでは買えるものは限られてくる。今後の日米金利差の縮小により円高圧力は強まり、ディフェンシブ銘柄として内需株の価値が高まるだろう。ここでは以下の銘柄に注目したい。

チームスピリット<4397>・・・働き方改革関連株として新興市場銘柄の中では人気の高い銘柄。直近の急落は今期3Q時点の進捗率への不安心理が原因だが、6月高値から半値水準まで叩かれる内容ではないだろう。

アンリツ<6754>・・・5G関連株の代表的存在。5月21日の安値1554円から順調に切り返しの展開。5G投資の恩恵を満喫する内需株として注目したい。

オリコン<4800>・・・音楽ランキングから各種ランキング情報を提供する老舗情報企業。高利益率を保ち株価は右肩上がりでも過熱感は感じられない。

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執筆者名:兜町放浪記

ブログ名:兜町放浪記

《SF》

提供:フィスコ

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