来週の株式相場戦略=米中協議の行方注視、決算発表はピークに
来週は、相場の大きな波乱要因となった米中貿易協議の行方を注視する展開となりそうだ。日経平均株価の想定レンジは2万500~2万1700円を見込む。
トランプ米大統領は1日、対中関税「第4弾」を発動することを表明。これを受け2日の日経平均株価は大幅安となり、アジア各国の株価も急落する状態となったが、今後を探るうえでのポイントは9月1日の発動日までに、米中両国で何らかの妥協を探ることができるかどうかだ。もし、追加関税が発動された場合、「日経平均は2万円近辺への下落も」(市場関係者)とみる声もある。
このため、米中協議は9月1日の発動日まで気をもむ展開が予想されている。その一方、来週の東京市場はお盆休みが近づき外国人も夏休みシーズンに入りつつあるなか、市場参加者も減少しそうだ。主なイベントも通過しつつあるが、残っているのは国内企業の4~6月期決算だ。来週末の9日には700社近くの決算が発表となり、ピークを迎える。来週は7日にソフトバンクグループ<9984>、8日に楽天<4755>、9日にリクルートホールディングス<6098>などの決算発表が予定されている。また、6日に三菱地所<8802>、8日に住友不動産<8830>など大手不動産、9日には第一生命ホールディングス<8750>や東京海上ホールディングス<8766>など大手生損保会社の決算発表が予定されている。
日程面では海外で5日に米7月ISM非製造業景況感指数、8日に中国7月貿易収支、9日に米7月生産者物価。国内では9日に4~6月期国内総生産(GDP)の発表がある。9日にはバイオベンチャーのステムリム<4599>が東証マザーズに新規上場する。
日経平均株価は2万1500円前後からは売りが膨らむが、2万1000円割れ水準では買いが入るともみられている。狭いレンジでの一進一退も予想されるなか、IT系の好業績株などを狙いたい。(岡里英幸)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)