欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、主要中銀のハト派姿勢でドル選好

通貨
2019年8月7日 17時25分

7日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米中対立に伴う市場の不安定化で、リスク回避の円買いが先行する見通し。一方、主要中銀のハト派姿勢が鮮明になるなか、米国は予防的な利下げにとどまるとの見方からドルが選好されそうだ。

米中貿易摩擦は通貨問題に発展しており、人民元の値動きがクローズアップされている。本日のアジア市場では人民元の基準値が前日よりもドル高・元安水準に設定されたことで、やや円買いに振れる場面もあった。その後、節目の1ドル=7元よりも元高となったことが意識され、円買いは弱まっている。一方、米株式先物は軟調地合いで米国株は前日の大幅反発から再び軟調地合いに振れるとの見方から、世界的な株安を警戒した円買いは根強い。市場の不安心理を示すVIX指数(株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数)は高止まりし、ドル・円は7日正午頃の取引で一時106円台を割り込んだ。

本日のドル・円の下げは、NZ準備銀による予想外の大幅利下げを受けNZドル・円が急落し、クロス円の下落が波及した影響もある。この後の海外市場でも、主要中銀のハト派的な政策スタンスがテーマとなる見通し。6日には豪準備銀が先行きに慎重姿勢を示し、豪ドル売りを誘発。また、欧州中銀(ECB)は域内の景気減速を背景に9月利下げが見込まれ、ユーロは積極的な買いが入りづらい。そうしたなか、米連邦準備制度理事会(FRB)も9月の追加利下げ観測が広がるものの、他の中銀に比べればハト派色は弱いとみられ、消去法的なドル買いが相場を支えるとみる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・22:30 エバンス米シカゴ連銀総裁がメディア向け朝食会を開催

・02:00 米財務省10年債入札(270億ドル)

・04:00 米・6月消費者信用残高(予想:+161.00億ドル、5月:+170.86億ドル)

《FA》

提供:フィスコ

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