プロパティAG Research Memo(1):不動産開発販売事業が収益の柱、新規事業にも積極的

特集
2019年8月8日 15時11分

■要約

1. 不動産開発販売事業とプロパティマネジメント事業を展開

プロパティエージェント<3464>は東証1部に上場し、不動産開発販売事業とプロパティマネジメント事業により高成長を続けており、不動産開発販売事業が売上高・セグメント利益の9割以上を占める。不動産投資を通じて新しい資産形成の選択肢を提案していくだけでなく、真の資産の代理人(プロパティエージェント)として時代変化に揺らぐことのない新しい価値を創造するイノベーション創出企業を目指している。

2. 2019年3月期は創業以来16期連続増収増益を達成

2019年3月期は、売上高は215.3億円(前期比12.0%増)、営業利益17.3億円(同24.3%増)と16期連続増収増益を記録し、経常利益も13.8億円(同22.8%増)で過去最高を更新した。期初計画に比べて、売上高は1割下回ったものの、各利益は1割程度上回った。不動産開発販売事業では、居住用コンパクトマンション(ヴァースクレイシア)の販売戸数前期比200%超や都市型アパート(ソルナクレイシア)の販売開始などが寄与して、売上高208.6億円(同12.2%増)、セグメント利益15.6億円(同20.7%増)となった。また、プロパティマネジメント事業でも着実な管理獲得による管理戸数増加に伴い、売上高6.7億円(同8.3%増)、セグメント利益1.6億円(同72.0%増)であった。同社の戦略の正しさを裏付ける好決算となり、1株当たり配当金を13円から21円(記念配当5円を含む)に増配した。

3. 2020年3月期は戦略的減益を計画

2020年3月期は、売上高220億円(前期比2.2%増)、経常利益10億円(同27.8%減)を予想する。同社では金融環境や不動産市況等の不透明感を総合的に勘案して、利益よりもバランスシートの健全性を優先する方針とした。すなわち、バランスシートの圧縮やストックビジネスによる利益のシェア拡大、コストのスリム化を優先することで、財務体質の強化と市況変動リスクへの耐性の強化を図り、将来の成長性を確保する。そのため、今期は都市型アパート(ソルナクレイシア)の販売増や投資用マンション(クレイシア等)の買取再販強化等により、既存事業の売上高を維持する一方で、クラウドファンディング等の新規事業への先行投資を行うことで、戦略的減益を見込む。1株当たり年間配当金は前期並みの21円を計画する。ただ、同社の業績予想は固めであり、収益環境は当初の想定ほど悪くない模様である。過去の決算と同様に、期初予想を上回る業績を達成する可能性が高いと見る。

4. クラウドファンディングによる事業領域の拡大を目指す

同社では「堅実性と将来の成長性確保」への方針を展開するために、中期ビジョンに掲げている「進化・変革とサステナビリティの共存」というビジョンのもと、不動産クラウドファンディング等の新規事業に注力する。国内クラウドファンディング市場は既に急拡大しており、1口1万円から投資可能な新たな不動産投資の形として、今後も高成長が期待される。2020年3月期は、会員集客のために先行して集中的に投資を行う計画である。

■Key Points

・不動産開発販売事業とプロパティマネジメント事業により高成長を続けてきた。

・2019年3月期は東京都心エリアに特化した物件開発を行い、売上高215億円(前期比12.0%増)、経常利益13億円(同22.8%増)と、過去最高を更新し、増配を実施。

・2020年3月期は、バランスシートの健全性を優先し、将来の成長性を確保するために、売上高220億円(前期比2.2%増)、経常利益10億円(同27.8%減)、前期並みの配当を予想するが、収益環境は想定ほど悪くない模様。

・クラウドファンディングによる事業領域の拡大を目指して、会員集客へ先行集中投資を行う計画。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《YM》

提供:フィスコ

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