15日の米国市場ダイジェスト:NYダウ99ドル高、米中対立解消の兆し見えず
■NY株式:NYダウ99ドル高、米中対立解消の兆し見えず
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は99.97ドル高の25579.39、ナスダックは7.32ポイント安の7766.62で取引を終了した。小売最大手のウォルマート(WMT)の決算が好感されたほか、7月小売売上高が予想を上振れ、買いが先行。昨日の大幅下落を受けた買い戻しも広がったものの、中国が米国による新たな追加関税への対抗措置を示唆したことで米中貿易摩擦への懸念も根強く、上値の重い展開となった。セクター別では、食品・生活必需品小売や不動産が上昇する一方で耐久消費財・アパレルやテクノロジー・ハード・機器が下落した。
複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、不正な会計処理の隠蔽を告発され大幅下落。ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)は、弱気な業績見通しが嫌気され軟調推移。一方で、ウォルマートは、決算内容が予想を上振れたほか、業績見通しを上方修正し上昇。中国オンライン小売のアリババ・グループ(BABA)も好決算を発表して上昇。百貨店のJCペニー(JCP)は、一株損失が予想より縮小し買われた。
半導体のエヌビディア(NVDA)はマーケット終了後に5-7月期決算を発表、売上高、一株利益ともに予想を上振れた。時間外取引で上昇して推移している。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円34銭まで上昇後、105円80銭まで下落して106円00銭で引けた。中国が米国との貿易交渉に向け歩み寄りの姿勢を示し、米国の2年債と10年債の利回りが正常化したほか、米小売売上高など、8月地区連銀製造業景気指数、4-6月期非農業部門労働生産性が軒並み予想を上回ったためドル買い・円売りが強まった。しかし、その後、米債利回りが大幅に低下し、株式相場が下落に転じると、一時ドル売り・円買いが再燃。引けにかけて、戻した。
ユーロ・ドルは、1.1155ドルから1.1092ドルまで下落して1.1110ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事が次回9月定例理事会で、市場の期待を上回るような効果のある大規模な金融緩和策を決定すべきだとの見解を示したため、積極的な追加緩和を織り込むユーロ売りが加速。ユーロ・円は、118円54銭から117円63銭まで下落。ポンド・ドルは、1.2145ドルから1.2100ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9738フランから0.9777フランまで上昇した。
■NY原油:続落で54.47ドル、需要減少観測は後退せず
NY原油先物9月限は続落(NYMEX原油9月限終値:54.47 ↓0.76)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日比-0.76ドルの54.47ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは53.77ドル-55.33ドル。世界経済の成長鈍化による原油需要の減少観測は後退していないことから、原油先物は伸び悩んだ。ユーロ安も売り材料となったようだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 26.25ドル -0.17ドル(-0.64%)
モルガン・スタンレー(MS) 39.10ドル -0.23ドル(-0.58%)
ゴールドマン・サックス(GS)196.18ドル +0.62ドル(+0.32%)
インテル(INTC) 45.70ドル -0.17ドル(-0.37%)
アップル(AAPL) 201.74ドル -1.01ドル(-0.50%)
アルファベット(GOOG) 1167.26ドル +2.97ドル(+0.26%)
フェイスブック(FB) 182.59ドル +2.88ドル(+1.60%)
キャタピラー(CAT) 115.25ドル +0.04ドル(+0.03%)
アルコア(AA) 16.92ドル -0.58ドル(-3.31%)
ウォルマート(WMT) 112.69ドル +6.49ドル(+6.11%)
スプリント(S) 6.86ドル +0.07ドル(+1.03%)
《SF》
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