来週の株式相場戦略=米中貿易戦争の行方を注視、パウエル発言にも関心

市況
2019年8月16日 17時40分

来週の株式市場は、波乱相場となったお盆のマーケットを大底に、反発基調に入れるかどうかが焦点となりそうだ。来週の予想レンジは、1万9800円~2万1200円で上値を試す展開を見込む。

今週はNYダウが12日に380ドル安、14日に今年最大となる800ドル安と急落した。この影響で日経平均株価も、15日に一時2万184円まで値を下げ、2万円ラインを意識する展開となった。中国・人民元の下落に加え、米2年債と10年債の利回りが逆転したことが、景気後退の予兆として警戒された。

ただ、直近の値動きは、「8月相場は荒れる」というアノマリー(経験則)に沿った動きとも言える。来週からは、市場参加者も夏休みから復帰するとともに出来高も膨らみ、全体相場は徐々に落ち着きを取り戻す展開も予想される。

注目点は依然、米中動向だ。米国は中国に対する第4次制裁関税を9月1日から課す方針。その9月に向けて「米中間の緊張緩和を示す、何らかのアクションがあってもおかしくない」(アナリスト)との見方も浮上。米中動向は引き続き、市場を左右する最大ファクターとなる。

また、来週は22日~24日の予定でカンザスシティ連銀経済シンポジウム(ジャクソンホール)が開催される。特に、23日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されている。市場には9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが行われるとの観測が強いが、ジャクソンホール会議でパウエル議長がどんな発言を行うかが関心を集めている。

日経平均株価は2万円前後までの下落局面で、悪材料をだいぶん織り込んだ状態。今後、2万1000円台を意識する展開も期待したい。来週は海外では21日に米7月中古住宅販売件数、22日に米7月景気先行総合指数が発表される。また、国内では21日に7月訪日外客数が公表される。(岡里英幸)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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