欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、イラン情勢への警戒でリスク回避の動きも

通貨
2019年9月19日 17時25分

19日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)は想定ほどハト派的でなかったとの見方から、ドル買い基調は継続の見通し。ただ、米トランプ政権のイランに対する制裁への警戒感からリスク回避の円買いが見込まれる。

米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日に開催したFOMCでの討議を踏まえ、政策金利を市場の予想通り25bp引き下げた。声明やドット・チャートから先行きの政策に関しタカ派とハト派の両極に分かれていることが明らかになり、市場の見方もまちまち。ただ、全般的に想定ほどハト派寄りではなかったとの評価から米10年債利回りが上昇し、ドル買い方向に振れた。とはいえ、ドル・円のFOMC後の高値は108円48銭にとどまったことで、上値の重さが意識されている。本日のアジア市場では、国内輸出企業のドル売りのほか、日銀の現行政策維持に伴う失望の円買いで108円を割り込んだ。

この後の海外市場では、FRBの政策決定を消化する展開となりそうだ。米国以外の主要国中銀は緩和方向に舵を切っているため、金融政策の違いが意識されやすい。今晩の英中銀金融政策委員会(MPC)で慎重姿勢が示されれば、ポンドをはじめ主要通貨売り・ドル買いの流れが予想される。一方、本日発表となるフィラデルフィア連銀製造業景況指数など経済指標は低調な内容とみられ、ドル買いを弱める見通し。また、サウジアラビアの石油施設への攻撃について米国はイラン関与の見方を強め、近く新たな制裁措置を発表する。それを警戒した円買いが、ドル・円を下押しする可能性もあろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・7月経常収支(6月:+184億ユーロ)

・17:30 英・8月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:0.0%、7月:+0.2%)

・20:00 英中銀が政策金利発表(0.75%に据え置き予想)

・21:30 米・9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:10.5、8月:16.8)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.3万件、前回:20.4万件)

・21:30 米・4-6月期経常収支(予想:-1274億ドル、1-3月期:-1304億ドル)

・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(6.50%に据え置き予想)

・23:00 米・8月景気先行指数(前月比予想:-0.1%、7月:+0.5%)

・23:00 米・8月中古住宅販売件数(予想:538万戸、7月:542万戸)

《FA》

提供:フィスコ

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