明日の株式相場戦略=「11勝1敗」強調相場の賞味期限
3連休明けとなったきょう(24日)の東京市場では、日経平均株価が小幅ながら3日続伸、利益確定売りを吸収し2万2000円台固めの動きをみせた。上値が重いのは当然といえば当然で、日経平均は9月に入ってからきょうまでの15営業日で下落した日はわずかに2日間しかない。サイコロジカルラインは11勝1敗が続いている。東証1部の騰落レシオは139.2%、120%以上を過熱ゾーンとすれば、今月13日からその領域に足を踏み入れ、なおかつ日々水準を切り上げている。
日米欧の中央銀行による金融政策会合を通過して、目先出尽くし感が出てもおかしくないタイミングで、正直なところ騰落レシオを横目に東京市場の波紋が変わる可能性があるとみていたが、“もうはまだなり”という局面か。配当権利取りの動きがなくなる27日以降は注意が必要と思うが、もし、投資家がそういう考えを持てば、それ以前に軟化するのが相場というもの。総論として今はまだ流動性相場への信頼感が下値を支えている。
個別では人材派遣のウィルグループ<6089>が前週末にストップ高に買われた。「同一労働同一賃金」による派遣単価の上昇が、人材サービス会社に追い風となっている状況で、同社の上期業績の上方修正はこの流れに乗るものだ。分野は異なるものの同じ人材サービス会社としては製造業向け技術者派遣の先駆であるアルトナー<2163>もマークしてみたい。株価は700円台半ばで三角もち合いが煮詰まってきた。
また、人材関連では日本と親和性の高いベトナムが一つのキーワードとなっている。そうしたなか、日本和装ホールディングス<2499>に意外性がある。同社は着付け教室と着物販売の仲介を手掛けているが、訪日観光客の“コト消費”需要の取り込みで培ったノウハウを他方面に生かす段階に来た。既にベトナムでの人材紹介ビジネスを展開するためのライセンスを取得したことを発表している。これは手掛かり材料としては結構強力だ。
直近にきて底値圏からの大反騰トレンドに突入したライトアップ<6580>の輝きも半端ではない。19年4~6月期に営業赤字に転じたことが8月中旬の投げ売りを呼んだが、そもそもここでの急落がイレギュラーだった。同社はクラウドソリューション事業で高水準の需要を捉えており、下期に書き入れ時を迎える。第1四半期(4~6月)業績が通期業績に及ぼす影響は小さく、1000円近辺のもみ合いは、これ以上ない買い場の提供となった。ここからの底値買いということであれば、今期の低調な業績を背景に売り込まれたジオスター<5282>。電線地中化関連の穴株で来期以降の回復を見込んで、時価は引き続き拾い場となっている可能性がある。
日程面では、あすは日米首脳会談に注目が集まる。このほか、7月29~30日に開催された日銀の金融政策決定会合の議事要旨が発表。8月の企業向けサービス価格指数、8月の外食売上高、8月の全国スーパー売上高などが開示される。このほか40年国債の入札が行われる。海外では、8月の米新築住宅販売件数が発表され、米5年債の入札も予定されている。タイ中銀やニュージーランド中銀の金融政策決定会合(政策金利発表)にもマーケットの関心が高そうだ。(中村潤一)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)