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2019年10月26日 8時00分
市況

【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─決算本格化、買い戻し後押しする需給

「決算本格化、買い戻し後押しする需給」

●決算通過後のアク抜けも物色ポイント

日経平均株価は4月以来となる年初来高値更新後もリバウンド基調を継続しており、約1年ぶりの高値水準を回復している。週足のボリンジャーバンドでは+2σを突破し、+3σに接近しており、テクニカル面では過熱感が警戒されてくるところであろう。外部環境が不透明ながらも強い基調を継続している主力半導体関連株の値動きについても、不安視する声が聞かれてきている。

いったんは調整が待たれるところでもあるが、リバウンド局面においては、ニューマネーが流入しているというよりも、弱気に傾いていたセンチメントの巻き戻しによる需給要因が大きいと考えられる。日経平均は10月半ば以降の短期間で1200円程度上昇しているが、それでも売買代金は2兆円前後と商いが膨らみづらい状況であり、小さなエネルギーでもトレンドが出やすい。日銀のETF買い入れや自社株買いの買い切りの流れもあって、市場では売り物が不足しているともみられている。そのため、巻き戻しによる買い戻しを進める局面において、トレンドが出やすいようである。特にハイテク株はファーウェイ問題でショートポジションが積み上がっていたとみられ、足元の上昇で過熱感は警戒されるものの、トレンドが出やすい需給状況であろう。

また、テクニカル面では過熱感が警戒されるものの、5月以前に高値を付けている銘柄だけでも1500を超えており、戻りの鈍さから全体としては見直し余地は大きい。特に足元でややリバウンド基調にあり、信用取組妙味の大きい銘柄などへは、買い戻しの流れが強まってくる可能性がありそうだ。

日本でも決算発表が本格化し、28日から11月1日の週では850社程度が発表する。主力銘柄の決算発表も連日で続くため、市場の関心は個別企業に集まりやすい。安川電機 <6506> に続いて、日本電産 <6594> においても、下方修正よりも足元の受注回復を評価しており、市場のセンチメントを明るくさせている。決算通過後はアク抜けの流れに向かわせてくるようだと、より需給妙味の大きい銘柄に対する巻き戻しが強まりそうだ。

そのほか、来週は日米金融政策のほか、米国のADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、雇用統計などの重要指標の発表が予定されている。連邦公開市場委員会(FOMC)では今年3度目の0.25ポイント利下げが予想されているほか、日銀の金融政策決定会合では一部でマイナス金利の深堀りへの思惑があるようだが、足元の為替相場の落ち着きもあるため、基本的には現状維持といったところ。

また、英国ブレグジット問題については10月末の離脱は困難であり、ジョンソン英首相は12月12日総選挙を示唆。不透明要因ではあるが、一先ず先延ばしになることから、結果的には目先の慎重姿勢は和らぐことになる。FOMCにおいて波乱展開となる可能性もあろうが、調整局面では売り方の買い戻しに伴う需給が意識されやすく、押し目拾いの好機ともなろう。

なお、今回の注目銘柄については、決算通過後のアク抜けの流れも意識し、信用需給妙味があり、足元でリバウンド基調をみせてきている銘柄を挙げている。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆リンクアンドモチベーション <2170>

8月9日に発表した上期営業利益の大幅減益と通期計画の下方修正が嫌気され、8月15日には413円まで下落し年初来安値を更新。その後はリバウンド基調が継続しており、直近では25日線を突破し、9月の戻り高値水準に接近している。利益率の高い組織開発ディビジョンの売上減少は重石になろうが、サブスクリプションモデルへの高水準の投資については成長投資との位置づけ。自社株買いが需給面での下支えとして意識されている。信用倍率は1倍を下回る売り長の需給状況であり、9月戻り高値を捉えてくるようだと、売り方の買い戻しを誘う流れが意識されてくる。

◆メガチップス <6875>

連結子会社の「SiTimeCorporation(本社:米国カリフォルニア州)」が、米ナスダック市場のグローバル・マーケットへの上場申請のための登録届出書を米国証券取引委員会(SEC)に提出したとのリリースが材料視されて直近で急伸。目先的には急伸の反動が意識されるが、これまでのボトム水準からの上放れにより需給状況は改善。顧客向けLSIはクリスマス商戦に向けたゲーム機器需要が期待されるほか、車載向けや5G通信向けIoTデバイスに対する今後の成長期待は根強い。

◆ソースネクスト <4344>

主力製品のAI通訳機「ポケトークW」の国内外での販売好調を手掛かりに、200円近辺(分割考慮)で推移していた株価は、話題性とともに昨年10月には773円まで急伸していた。その後は調整が続き、8月には400円を割り込む局面もみられたが、足元のリバウンドにより需給整理は一巡。「ポケトークW」の過度な期待感は収まる中、ラグビーW杯において需要が伸びているほか、来年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、改めて投資家の関心が集まりそうだ。株価は52週線を捉えてきており、同線突破ともなれば、買い戻しを誘う流れが意識されやすい。

◆トプコン <7732>

国土の4割が農地であるタイにおいて、タイ政府が推進するスマート農業推進計画に参画。タイ農業省とともに農機用の自動操舵(オートステアリング)システム、レーザー式生育センサー「CropSpec」、整地用のランドレベリングシステムを活用し、生産性の向上、コストの削減効果の検証を行う。また、3次元眼底像撮影装置や眼底カメラといったアイケア事業は中国市場での販売が伸長。株価は昨年1月高値2917円をピークに調整トレンドが継続しているが、足元では13週線、26週線のほか、52週線を突破してきており、トレンド転換が意識されてくる。

◆グンゼ <3002>

機能ソリューションでは主力のシュリンクフィルムやナイロンフィルムが堅調に推移。エンジニアリングプラスチックス分野は、OA向け製品が堅調。半導体市場向けは第1四半期時点で停滞したが、足元の米半導体株の良好な決算を背景に、見直す流れが意識されよう。また、メディカルではメディカルユーアンドエイの子会社化による骨接合材の拡販に加え、人工皮膚が引き続き堅調に推移している。株価は昨年5月高値7680円をピークに調整が強まり、昨年12月には3670円の安値を付けていた。その後は4500-5000円のレンジ相場が継続する中、足元では13週線、26週線、52週線を捉えている。

2019年10月25日 記

株探ニュース

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