19年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第2弾〕 33社選出 <成長株特集>

特集
2019年11月24日 19時30分

21日に配信した時価総額1000億円以上の銘柄を対象とした「19年7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 25社選出」に続き、時価総額300億円以上1000億円未満の銘柄を対象とする第2弾をお届けします。

3月期決算企業の20年3月期上期(4-9月)業績は、世界景気減速の影響を受けた製造業を中心に苦戦が目立ち、通期計画を下方修正する企業が相次いだ。本特集では、このような逆風下で利益を大きく伸ばした企業にスポットライトを当てた。

今回は時価総額300億円以上1000億円未満の3月期決算企業(銀行を除く)を対象に、直近3ヵ月である7-9月期(第2四半期)の経常利益が前年同期と比べて倍増した企業をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表では、四半期ベースの「増益連続期数」、4-9月期経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなったのは、海洋土木大手の東亜建設工業 <1885> 。直近3ヵ月の19年7-9月期は国内土木事業や海外事業の手持ち工事が順調に進んだうえ、国内建築事業で完成工事の設計変更が増加し、経常利益は前年同期の3900万円から20億6500万円に急拡大して着地。上期予想は決算発表前に上方修正したが、通期計画の増額は見送った。同社は期初予想を保守的に算出する傾向が強く、通期も上方修正が期待される。

2位の包装用品卸大手、シモジマ <7482> の7-9月期は特注紙袋や環境対応商品などの販売を強化したほか、店舗販売部門で実施した消費税増税前の大規模セールが奏功し、経常利益は9四半期ぶりに増益に転じた。株価は14日に10年4月以来、約9年7ヵ月ぶりの高値となる1300円をつける場面があった。

続く3位の中国塗料 <4617> は好調な船舶用塗料がコンテナ用塗料の落ち込みを吸収し増収を確保したうえ、原材料価格の下落や仕入れ見直しによる調達コストの低減、販売価格の適正化が奏功し、新造船向けを中心に採算が大きく改善した。上期業績の好調に伴い、通期の経常利益予想を従来の17億円→34億円に大幅上方修正している。

4位に入ったのはトヨタ自動車 <7203> 系の自動車用プレス部品メーカーのフタバ産業 <7241> 。マフラーは国内シェアトップを誇る。足もとの7-9月期はトヨタ向けの販売が増勢だったほか、製品売上構成の良化や合理化効果も寄与し、経常利益は前年同期比9.9倍の30.8億円に膨らんだ。指標面では予想PER9.9倍と割安感が強く、上値余地は大きいとみられる。

5位のミツウロコグループホールディングス <8131> は電力事業で営業基盤の拡大や他社との提携強化を背景に、電力販売量を伸ばした。また、燃料価格の下落でエネルギー事業の採算が改善したことも利益を大きく押し上げた。上期業績の好調を踏まえ、20年3月期の経常利益予想を16年ぶりの最高益に上方修正した。

6位にリストアップされたイーレックス <9517> の7-9月期は売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を大幅に更新した。家庭用など低圧小売部門を中心に販売電力量が増加したうえ、電源調達で安価な市場取引の比率を高めたことも利益を押し上げた。

10位のタカラレーベン <8897> は主力の新築分譲マンションの引き渡し戸数が大幅に増加したほか、タカラレーベン不動産投資法人 <3492> [東証R]への物件売却も膨らみ、7-9月期の売上高は前年同期比65.3%増の458億円、経常利益は同3.9倍の54.5億円と業績高変化をみせた。

11位の新日本科学 <2395> は業績不振が続いていた米国前臨床事業を前期に売却したことに加え、業務効率化や経費削減の進展も寄与し、採算が急改善した。国内前臨床の稼働率が想定以上に好調なことを踏まえ、通期の経常利益を最高益見通しに大幅上方修正している。

17位のアミューズ <4301> は大型コンサートツアー開催でイベント収入が大幅に増加したうえ、コンサート関連グッズや音楽パッケージの販売も好調だった。上期(4-9月)経常利益の通期計画に対する進捗率は93.9%に達しており、業績上振れが確実視される。株価は上昇一服感のある全体相場に逆行して、年初来高値を更新している。

┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率 7-9月期 連続期数 進捗率  PER

<1885> 東亜建     5195   2065    4   53.8  8.1

<7482> シモジマ    4475   183    1   25.8 48.8

<4617> 中国塗     4290   1361    2   51.8 33.4

<7241> フタバ      894   3081    3   65.9  9.9

<8131> ミツウロコG   647   956    4   51.2 24.9

<9517> イーレックス   569   3541    4   74.6 22.4

<9629> PCA      498   1191    4   73.5 17.4

<2540> 養命酒      369   394    2   72.7 37.6

<4792> 山田コンサル   344   844    1   35.8 20.7

<8897> タカラレーベ   292   5450    1   28.9  6.6

<2395> 新日本科学    270   1209    1   62.9 23.9

<8793> NECキャピ   229   3497    2   87.4  8.1

<6413> 理想科学     228   1032    1   69.1 40.3

<5805> 昭電線HD    220   2473    4   60.3  6.4

<3284> フージャース   200   1907    1   20.1  8.1

<5440> 共英製鋼     197   5457    7   61.1  8.8

<4301> アミューズ    192   1072    3   93.9 19.9

<2108> 甜菜糖      176   502    4   78.9 24.4

<7937> ツツミ      173   385    2   46.5 61.9

<3341> 日本調剤     164   2291    3   56.6 14.5

<6368> オルガノ     159   3950    9   63.7 13.6

<2329> 東北新社     153   971    2   63.8 24.2

<9887> 松屋フーズ    149   1970    4   56.4 26.0

<4337> ぴあ       147   537    1   50.0 81.0

<5449> 大阪製鉄     144   1577    1   60.7 12.8

<6741> 信号       143   2897    6   38.9 14.3

<6458> 新晃工      135   2628    2   53.7  9.9

<4726> SBテク     129   796    2   46.2 24.7

<6088> シグマクシス   118   702    6   66.6 39.6

<5410> 合同鉄      117   1805    6   43.0  5.8

<8871> ゴールドクレ   116   2393    3   94.6 10.6

<1961> 三機工      104   2956    4   35.0 12.2

<9882> イエロハット   102   3737    2   51.8 11.3

※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。対通期進捗率は経常利益の通期計画に対する4-9月期の進捗割合、単位は%。

※「-」:通期の経常利益もしくは最終利益が非開示のため、算出していません。

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