【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 市場が渇望した米中合意、最大の支援材料舞い降りる!
「市場が渇望した米中合意、最大の支援材料舞い降りる!」
●ビッグサプライズとなったトランプ砲
15日に期限を迎える、米国による中国製品に対する制裁関税「第4弾」発動はあるのか?
市場の関心はこのところこの一点に集中していたのだが、週末、不意に答えが見えてしまう形となった。トランプ米大統領が12日午前、例によってツイッターに「中国との大きな合意が近い」と投稿したのだ。
当事者、それも決定権を持つ大統領が自ら重要情報をどんどん発信するのだからありがたいが、マスコミもそれを固める情報で追随した。「米国と中国は貿易協議の第1段階で原則合意したようだ」と。併せて「米国は対中制裁関税第4弾の発動を取りやめ、既存の追加関税の半減を提案した」とも。
これらは期待されていたことではあったものの、決定はなされていなかったわけだから、市場にとっては当然この上ない安心材料となる。今後、年末に限らず年明け以降も、東京市場を押し上げる支援材料になってくれる可能性が高いと見てよい。
もちろん、好材料だけではない。気掛かり材料もある。米国の11月雇用統計で非農業部門の雇用が26.6万人増となったことだ。雇用環境が想定以上に良好。こういうことになり、これは米国経済が好況であることを物語っているため、素直に好感したいところではあるが、そうも行かない。
FRBは金融政策の現状維持を決定。今後について、「金融政策の現在のスタンスは今後も適切である公算が大きい」と発言した。これは、当面金利を引き下げるのではなく、現在の水準を維持する方針を示唆したものと解釈してよいだろう。好況が続いているのだから当然でもある。
以上のような状況は、市場が常に待望している利下げがないか、あっても来年の後半になってしまうと見ておく必要がある。
●上昇力キープの銘柄に注目
そこで、投資対象とする銘柄は、米中の衝突緩和の恩恵を受ける銘柄、衝突がしばらくして再度激化してもそれに耐えられる収益力を持つ銘柄、さらには下がるはずなのに下がらないという点で実質的に強い上昇力をキープしている銘柄にしたい。
具体的には、まずはレーザーテック <6920> だ。何といっても素晴らしいのは、この会社は半導体の欠陥検査装置に強く、特にマスクブランクス欠陥検査装置では実に100%のシェアを有している。100%ということは、世界で使われている同検査装置はすべてこの会社の製品であるということ。そして、今後も同様の状態が続くと見てよい。こういうことになり、株価はすでに高値圏ながらさらなる高値に進んでもおかしくない。
世界的に環境への関心が高まっているにしては、ポリ袋の使用をなかなか減らせないのが実際だが、実はポリ袋に代わって紙袋の使用が増加中だ。その恩恵を受けているのがザ・パック <3950> だ。この会社は百貨店、専門店向け紙袋の大手で、いまは脱プラ需要により製品需要が高まり、収益が伸び続けている。株価は地味ながら続伸が見込める状況にある。
ザ・パック同様、株価は地味な動きながら、日東紡績 <3110> も好材料を持つ銘柄として注目だ。この会社はガラス繊維に強く、いまは5G向けスペシャルガラスの需要が絶好調状態にある。当然、株は続伸する確率が高くなる。
このところ株価急騰、目先はやや軟調となっている日工 <6306> も、アスファルトプラント首位で、同プラントが中国向けに好調であることを考えると、株は引き続き魅力的だ。
リチウムイオン電池用セパレーターに強く専業メーカーでもあるダブル・スコープ <6619> も、11月半ばから底値を脱し回復に転じはじめている。今後、その本格化が見込める。
最後にこのところ毎度お馴染みとなっているソニー <6758> と中外製薬 <4519> を。
2019年12月13日 記
株探ニュース