EMシステムズ Research Memo(5):2020年3月期第2四半期は駆け込み需要の影響で計画上回る

特集
2020年1月7日 15時35分

■業績動向

1. 2020年3月期第2四半期業績概要

EMシステムズ<4820>の2020年3月期第2四半期業績は、売上高7,086百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益964百万円(同34.3%減)、経常利益1,283百万円(同28.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益862百万円(同28.0%減)となった。期初の半期予想からは、売上高で8.8%増、営業利益で35.6%増とともに上回る結果である。

売上高が好調に推移したのは、消費税増税やWindows7のサポート終了によるハードリプレイスの駆け込み需要の影響が大きかった。また、調剤システム、医科システムともに課金売上が順調に増加した。営業利益に関しては、当初からの戦略どおりハードウェア提供方法の変更に伴う粗利の減少により減益となった。

2. 事業別概要

(1) 調剤システム事業及びその関連事業

調剤システム事業及びその関連事業は、売上高は5,484百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は960百万円(同29.6%減)と増収減益となった。サービス別に売上高を見ると、初期売上2,104百万円(同4.2%増)、課金売上1,970百万円(同1.9%増)、サプライ売上1,076百万円(同5.5%増)、保守売上332百万円(同14.9%増)といずれのサービスも前年同期を上回った。初期売上は、ハードウェア提供方法変更による初期費用の減少が予想されたが、消費税増税などに起因する駆け込み需要や大手チェーン店獲得による販売件数の大幅な増加により増収となった。

(2) 医科システム事業及びその関連事業

医科システム事業及びその関連事業は、売上高924百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益94百万円(同22.2%減)と増収減益となった。サービス別に見ると、初期売上458百万円(同6.4%増)、課金売上270百万円(同16.3%増)、サプライ売上49百万円(同6.0%増)、保守売上145百万円(同9.7%減)である。MRNの新規導入、他社リプレイスによる顧客数の着実な増加により、特に課金売上が順調に伸びている。

(3) その他の事業(介護システム事業)

その他の事業は、売上高729百万円(前年同期比42.2%増)、営業損失139百万円(前年同期は17百万円の損失)となった。そのうち介護システム事業は、M&Aを行ったことで積極的な事業戦略の展開が可能となった。介護システム事業をサービス別に見ると、初期売上33百万円、課金売上25百万円、サプライ売上0百万円、保守売上162百万円となっている。現在は保守売上が中心だが、新規顧客が増加するに従い、課金売上が増加することが見込まれる。薬局経営事業は調剤報酬及び薬価改定の影響を受けたが、売上高、営業利益とも前年同期を上回って推移している。

現預金80億円超え。無借金経営に近く極めて高い財務の安全性

3. 財務状況と経営指標

2020年3月期第2四半期末における総資産は前期末比818百万円増の23,169百万円となり資産規模が拡大した。そのうち流動資産は同678百万円増の11,608百万円であり、現金及び預金の増加が主な要因である。固定資産は、同140百万円増の11,561百万円であり、無形固定資産(ソフトウェア仮勘定)の増加が主な要因である。現金及び預金残高は8,159百万円であり余裕がある。

負債合計は同284百万円増の6,017百万円。そのうち流動負債は同419百万円増の4,084百万円であり、保守サービスにかかる前受収益等が増加したことにより「その他流動負債」が同519百万円増加したことが主な要因である。固定負債は同134百万円減の1,933百万円であり、製品保証引当金及び長期借入金の減少が主な要因である。純資産は、同533百万円増の17,152百万円であり、堅調な業績により利益剰余金が増加したことが主な要因である。

経営指標について見ると、自己資本比率が73.5%と非常に高く、中長期的な財務の安全性は高く評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SF》

提供:フィスコ

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